工廠裏の壁　13枚目

1 ：名無しの工員さん：2015/12/07(月) 22:13:00 ID:O2pm83Ck

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 描きたいけどいきなりスレを立てる勇気が無い
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 試してみたいけど何処かでひっそりと行いたい
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 そんなときに！


　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 工　廠　裏　の　壁


　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ・ 短編、試作、とりあえずなんでも良し
　　　 　 　 　 ・ やる前には利用予告スレッドと壁の両方で宣言して被らないようにすること
　　　　　　　　　　 ・ 投下された作品は基本的にwiki、及び保管サイト様に保管されます
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ・ 保管を控えてもらいたい場合は投下の際に一言断る
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　もしくは管理連絡スレッドへ一報を
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ・ またＡＡの支援はＡＡ支援スレッドに
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ・ ハートフルに
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ・ 埋まりそうだったら次建ててね　　　 　 　 　 　 ＿
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　 圭℡rｮ 　 　 　 　 　 ||　 ||　-　||: : : l/|: : :| 　 　 _　　|| 　 |||//　　／///　〃　　　　///´||　 　 　 | 　 |　 |　 |
　 圭圭}l℡ _∠７ｴヽ_　||　 || |[Τ||: : : l/|: : :|　 晶品嵒晶t℡| {__／＿{ | L[ｆ―――‐' {］―|l＿＿＿＿_ |　 |　 |
　 圭}圭圭‘＝“０-０┘||＿||_|_｜||;_;_;_l/|;_;_;Ｌ晶晶品嵒亟亟lｪｪ―_‐ｪｪ|ｭ　|ｭ ￣ r=ｭ Γ二ｌ|＿＿＿＿_||＿|[]⊥
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1814 ：名無しの工員さん：2016/02/07(日) 02:02:40 ID:XZ1YRJ2Y

つまり、変異型トトロ＝機械内部にも寄生して食らう寄生獣も発生してるってことか
人間に寄生する奴だけでなく
どうしてそんな変異を起こした？

1815 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/07(日) 02:17:49 ID:M1ll8MNo

>>1814
あ、すみません…
別にニャル子の目線＝トトロの生態という訳ではないんですよ

だから別に寄生とかじゃなくて、単にメカの中で寝てただけです
ほら、怖くない。ﾄﾄﾛﾄﾓﾀﾞﾁ、ｺﾜｸﾅーｲ。

1816 ：名無しの工員さん：2016/02/07(日) 08:36:09 ID:vJN009r2

乙ー　　可愛らしいナリしてやっていることはとんだホラー映画の生物じゃん…（震え声

1817 ：名無しの工員さん：2016/02/07(日) 10:12:32 ID:4fGxNkto

乙でした
な、ないすホラー…（震え声

1818 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:02:44 ID:BJTlFz4c

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　　　　　　l: :〈　　　 │　　　　　　　の世界観をお借りしたお話であり　　　　　　 　 │　　　.〉:.:l
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　　　　　　l : : :l.　　 │　　　　　本社の設定には影響しない物なので　　　　　　　 .│　 　 |:.:..:l
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　　　　￣￣￣フく _,,r'´ハ　,!‐_ ! ﾊノ'ｨ'!lﾊ　ﾊ! ＝＝＝＝＝＝＝!/ﾚ;::ｲ{'iゝ　ﾚ' _.!ﾆﾊ::::ﾊ::::ヽ:::::::',. ＝＝
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　　 前回乙ｸﾚﾀ人....ﾉ　 /ヽ､ゝ､.,___　.イﾘｲ〈...―r――r――r――r.ﾚﾍ:｀>｀ _´_,,..イi::::/γ´　　　今回ﾓ　ﾕｯｸﾘ
　　　　　 　 　 　 　 .〈　　iゝｲ´!')´＼iヽﾘﾍﾉｲ　　　　　　　　　　　　　 　 Y´7 「/｀ﾊ/::i､ハ:!
　　 ｱﾘｶﾞﾄｳ！！　　 ｀ヽ ﾊ /　Vヽ､/ム｀'ﾍ〉　　　　 　 　 　 　 　 　 　 〈__iヽﾍ／〈::ノ ｀ヽ(　　　　 ﾀﾉｼﾝﾃﾞｲｯﾃﾈ！
　　　　　　　　　　　　　ﾉ､ 〈　　　　〉　 ゜｡　ﾊ　　　　　　　　　　　 　 　 / / / i 　 ﾝ !､,.-=〉
　　　　　　　　　　　　　　ﾚﾍヽ,.'-=-ﾍr_､-＜ヽ!　　　　　　　　 　 　 　 〈'く 　Y　　 _/_　　',
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　　　　　　(蓮子) 『『本社再開イヤハアアアアアアアアアアアアアア！！！』』 (ﾒﾘｰ)



　　(蓮子) あ、今回は説明っぽくなっちゃったので、あんまり物語進まないわよ
　　(ﾒﾘｰ)　遅筆ですみません。楽しんでくれる方がいたら幸いです、では

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊｼﾞﾏﾙﾖｰ

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1819 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:03:37 ID:BJTlFz4c

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1820 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:04:07 ID:BJTlFz4c

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1821 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:04:36 ID:BJTlFz4c

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1822 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:05:07 ID:BJTlFz4c

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1823 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:05:38 ID:BJTlFz4c

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1824 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:06:09 ID:BJTlFz4c

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1825 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:06:38 ID:BJTlFz4c

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1826 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:07:07 ID:BJTlFz4c

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　 　 　 　 　 　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ　＜＿彡 ｛　{ 　 l⌒　 /ｲ　 }x斥示ミx_,,j 　 V ｝ }＼＿　`'''ー-=ﾆﾆﾆﾆﾆ＞
　 　 　 　 　 　 |　光学迷彩、剥がれてるよ　|　　 　 ／八　　　{＿＼　}　ﾉﾉ 弋;♡;ﾉ}"ﾉ　　 ＼ﾉミ＿　 ￣ミ　＼　￣￣∫
　 　 　 　 　 　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ　　　 ./　｛　f(ヽ从ｼ示ﾐ､ﾉ／　　 ''~￣ﾉｲ / 八 　＼　　ヽ＼＼ヽ　Y　　 δ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼`T宀'''^~／　　　　　　{　 (＼い Vﾊ 弋シ　r　　　 　 　 ﾉ/ノ　 ＼ ＼＼＿l　}　)ﾉ　ﾉ　　θ
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　　こいしが腕の中にいる。

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1827 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:07:38 ID:BJTlFz4c

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ :.:.|　 |.　 ,i　 { 　 ′.'.. . . . . : : : : :　:　:　　 :
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　　結局、しばらく待ってもニャル子達は来なかった。

　　下水横道の入り口の落書きで気づいてくれるかと思ったが、別に最初から
　　相談して決めていた訳ではない。此方が勝手に期待して、それが外れただけ
　　の事。彼女達を攻めるのは筋違いというものだろう。

　　それより今はこいしと僕。一人の蛆虫とその装備の愛玩人形であの船まで
　　倒した敵の生死を確認する必要に迫られた事実こそ憂慮すべき現実だ。

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1828 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:08:53 ID:BJTlFz4c

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　　あの船に行く事は、さほど苦労はしない。

　　水にプカプカ浮いてるように見えて、白い砂浜を割るように接岸しているのは
　　先程からの監視で判明している。近くまで行けば、あの外板のとっかかりを
　　よじ登るかしていいし、登る事自体は簡単なはずだ。

　　しかしそれは、"何もいない"と仮定した場合の話である。

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1829 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:10:34 ID:BJTlFz4c

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戈江ﾆ戈　　　　弌 ＿　　 :,　 :,　 :,　 :,　 :,　:,　:,　:,　:,　:,　:,　:,　:,　:,　:,　:,　:, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :,
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　　改めて砂浜を見渡すが、何も無い。

　　遠くを見ると霧に阻まれ、先は見通せない。上をみるとドーム状の天井が見えるので
　　霧の向こうには壁があるはずなのだが、白濁した幕はまるで目の前の湖を
　　海と錯覚させる程に厚く視界を覆っている。

　　海の様に見えるこの湖が本物ならば、貝殻や流木、ほんの少しのゴミなどが
　　風景にアクセントを付けるはずだ、だがそんな物は全く無い。ほこりやチリさえも
　　水に溶けて無くなったかのように影一つないのだ。

　　ここの水も下水と同じ性質なのかもしれない。

　　白いプラスチックのような砂に、果てが無いような水平線。非現実的にすら
　　見える光景は、白いコピー用紙に小さい自分が立ってるような幻想的な
　　想像を掻き立てる。

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1830 ：名無しの工員さん：2016/02/21(日) 23:10:57 ID:rQXIJoMw

そういや今更気づいたが、こいしちゃん下手すっとトトロにコードｸﾁｬｸﾁｬされる側なんだよな…ﾌｩ

1831 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:11:58 ID:BJTlFz4c

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　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .／　　　　　　　　　　　　 ﾞ＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 ,/ﾞ　 ＿__>　　 　 (＿＿｀　 　 ﾞ',
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,/'　　(　 (;;)'　　　　;　（;;））　　　 .i　　　　　(まだ、動いてるものはないが…)
　　　　　　 　 　 　 　 :　: : ::: : :　:.ﾞｰ-'"　　　　 ｀-- ´　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　 　　 ´　　　　　　 　 .:　: : ::: : :　:
　　　　　　　　　　　　　　　i!　　 　 　　＿ ＿＿　　　　　　 ,i'
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　　　　　　　　　　　　　　　:　: : ::: : :　:　　　　　　　　 _,. - '"￣´"ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　 ／＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.://／:.:.:.:.:.:._,.:-:.:'::.:.:.:.:.:.:´￣｀ヽ、
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　━ 　 ━　┳━┳━┳━┳　 ┳━┳━┳　 ┳━┳━┳━┳━┳━　 ━┳━┳━　　　 ━　　━　━

　　ここを何も考えずに歩いたら
　　さぞかしいい的だろう。

　　船までは目測で200m程。もし狙撃手などがあの船に配置されていたら
　　小さい露天通りが丸々入る距離の中を、銃弾の雨に晒されて走る事になる。

　　狙撃はなくとも、監視はいるかもしれない。そうだとしたら
　　砂浜は当然見ているだろうし、そこをとぼとぼ歩く間抜けなど格好の餌だ。
　　総出で出迎えるも、逃げる間抜けの背中を撃つも、好きにし放題である。

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1832 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:13:12 ID:BJTlFz4c

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　　　　　　　　　　　 ｨ=ミ、　　　　　　　　　　　　　 ,..ｬ≦圭圭圭圭ﾐ/　 　 ヽ
　　　　　 ,ｨ⌒ヽ、〃　　 `ヾ　　　 　 　 　 :　: : ::: : :　:. 圭圭圭圭圭{　 　 　 ﾊ､
　　....: : ::: : :　:...∨　　 　 　 }}　＿＿＿＿,,,,,,,∠-=＝――-- ;;;r-┘ヾ　ﾄ 　　}ﾐﾄ、 ＿＿ ... . .
　　　　 ii　　　　∧　　　　　r会圭圭ﾐ㌢"　　／　￣￣""'''ミz､ゝ､　 　 　 >‐､!,ィ'"　 　 .: : ::: : :　:..
　　　　 {{　　　 {!　}!　　　　 寸圭圭ｱ　 　　〃 ／ 　　 　 　 ｝)｀"''ミz､　　{　 ⌒)‐-
　　　 　 !!　　 弋ノ　 　 　 〃 ｀ヾﾐj!　／　　 { ｛ ⌒　 　 　 ノ" ‐-}､ 　｀"'':　: : ::: : :　:..／
　　　　　ii　　 　 : : ::: : :　:.. 　 　 .:　: : ::: : :　:　 ﾄ､{　(　　　 ,.ノ} ,ｲ　ﾉ　　}　　ヽﾄﾐz､ ζ
　　　　　 ii　　　　　　 ,ｨｱ　　x‐-､ {/{　　{　　ｼ"芹ミ｀ｰ､< z≧zﾉノ(　} ﾘ　　 }ﾘ　}心┘
　 　 　 　 ﾞ､、　　　,.ｨｧ"　　 ｛ (ﾞ^)〉 〈ヽ　ﾄ､ { i　{{i仞`⌒)》" ,然沁ﾐ)ﾉノ　　 ﾉ　./圭沁、
　　 　 　 　 ﾞ､､_z彡",,..-―-(ゝ ＼__ノ ﾉ_ﾉ)　`}　ゞ-" 　'"　 弋ll紗 ｲ ﾉ　 ／ {　{圭圭彡
　　　　　,.ィ'"ヾ､　 /,..-―-　 ＞--　　　ノ　 λ 　 　 ,,..__..　.:　: : ::: : :　:.〉(　 ＼i＿ノ)　　　　 .できる夫、大丈夫？
　　　　〃　　　`γ"..:　 :　::　:: :::::: ::　::　: 　:. 　＼　 弋ﾞ")　　 _r''　r"ノｲ 、 ＼　　＜
　　　 〃　　　　　ヾ( 弋　　､_) )`ｰ-､ヽ ｀弋彡　　 ＞-r-‐ ''"/_)人(　 ＿ )ﾉ　 } 　 ＼ヽ　　　 重くない？
　　　 {{　　　　　 (__))`ミz､_)`''" {　 ﾉノ( (_　,..-‐＜～f　,..ィ''"トｯ-ｧ-､(　　　 _ノ　　}　} .｝
　　　　ii　　　　　　,,..={(＝ゝ`≧＝＝==ミ〃::::::::::rfﾞl､ｲ:: :: :: :／ζ　 ﾊヽヽ ((　　〈.:　: : ::: : :　:
　 　 　 ii　　　,..・'"　　　 ／　　 ｀>''"⌒`ヽミzxｘrl l i i}i＝≠=f≦,,＿_《__)ﾉ__)ヽ_,,斗＜_)〉
　　　　 ヾ ／　　　 　 ／　 　 　 j!　　 ﾉ　　ヽ::::::｝　　} Y_r､}`"　 　 ￣!ﾉ~ﾞ/￣ ノ`ｰ‐''"　　　ｺｿｯ
　　　　,ｨ'"`ﾄ､　　　／　　 　 　 ﾉ　　　 　 　 ∧_{　　〈ﾄ、　　 ｛　 　 　 !　 { (￣
　　 ,;.:　 :　::　:: :::::: ::　::　: 　:　/|　　　　　 {　 ∧ﾞ、f`:::i ＼　　}　　　　i　　`''"
　 〃　 　 　 　 ,:'　　 　 　 　 /｜　　 　 　 ﾞ、　∧ゝ>::::i　 ＼/!　　　　i
　〃 ,..--――/　　　　　　 ,:'　 i　　　　　　　　　∧}:ﾄ､:::i　　　ヽ､__　　i
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　　どうするにせよ、身を隠す術は必要だ。
　　だから、こいしの光学迷彩を借りる事にした。

　　今は、腕の中で綺麗にお姫様抱っこされてる
　　その姿は、陽炎のように揺らめき、周囲にその色をにじませる。
　　前時代のテクノに詳しい人間なら、それが光学迷彩によるものだと分かるだろう。

　　触ってみれば分かるが、その服や肌には白粉のようなものが
　　全身万遍なく塗布されており、こいしが言うにはこれが、彼女の
　　光学迷彩のリモコンのような役割をもっているのだと言う。

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1833 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:13:44 ID:BJTlFz4c

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.　　- =　－ =　　－　三 =　ー =　＝ ≡　=　= ミ 、ー　三　≡　､　＿ ー ＿ 二ニ ＝ー　‐　―　　´　￣
.. -　,，ー　= ≡ミ 、＿　,.＿＿＿＿＿..　三　≡ =　,　－ =　二 =　-,，'´ﾞ ﾟ ﾞ ﾟ ￣´:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:
.= '´　三　- = ≡　／　　　　　　　　　　　　　 ＝≡ _三＞= -　'’ ￣:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:
.　 ﾞ ﾟ ￣ ﾞ ﾟ｀￣.／　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼...:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:
.:　:　:　:　:　:..／　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼.:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:
.:　:　:　:　:.／　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 ＼.:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:
.:　:　:　:／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ',...:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:
.:　:　:./　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ',.:　:　:　:　:　:大丈夫、綿みたいに.:　:　:　:　:　:　:
　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .
　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 i　　　　 　 .軽いですよー…ッ？
　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |

　　　　'.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }
　　　...__',＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　　　 ﾉ　 　 　 　 　 ＿＿＿___
.　.／二二二二二二二二二二二二二二二二ニ＼ 　 ／　　　　　.,ｨ≦三三三:三:≧zx､
／二二二二二二二二二二二二二二二二二二二}／　　　　　／三三三三三三三三三≧r---､＿
}二二二二二二二二二二二二二二二二二二ニﾆ∧　　　　 ./--‐　¨¨¨ー--､:三:三三三ｿ　　　　 .ﾉ
i二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ.　_,..:-‐≦三三三Zzx..､.,_　｀¨''＜:三i!　　/　ノヽ
　━ 　 ━　┳━┳━┳━┳　 ┳━┳━┳　 ┳━┳━┳━┳━┳━　 ━┳━┳━　　　 ━　　━　━

　　つまりこれが、今僕が透明になってる理由だ。

　　この天狗の衣灰は、他人につければその箇所本人同様
　　光学迷彩を付ける事が出来る。つまり、この粉をつけて貰えば
　　誰であろうと光学迷彩を借り受ける事ができるのだ。

　　もっとも、光学迷彩の力場を発生させてる機構は本人のものなので
　　こうして抱き上げたりして、常に接触してないと剥がれてしまう。
　　手を繋いでいてもいいが、歩幅をあわせるのも面倒だし、咄嗟に
　　走れるならいっそ抱き上げた方がいい、とう判断でこうしてる。
　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾄｳﾒｲ
　　こうして、子供を抱いた幽霊が船に向かっているという図が
　　出来たのだが、…まだ船遠いな。

　┻━┻━┻━┻━┻　 ┻━┻━┻　 　 ━┻━┻━　 　 ┻━　 ━┻　 　 ━　 ━┻━　━　…‥

1834 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:14:11 ID:BJTlFz4c

　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　 　 　 ＼
　　　　　　　 ／　　　　　 ― 　　‐　　　　　　　::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: .
　　　　　　／ 　 　　　　 （ ●）　　）　　　　....: :　…何か踏んだ？　: : .
　　　　　　|　 　 　 　　　　 　　　' i　 　 　 　 .: ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: :
　　　　　　＼　 　　 　　　　 　￣_
　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼




　　　　　　　 !　　　　　　　　　　　　　l 　 /　　　　　　　　 ､　　　ヾ ､ 　 　 　 !
.　 　 　 　 　 l　 　 　 　 　 　 　 　 　 l　/　　　　　　　　　　　丶　　 ヽ、　 　 l
　　　 　 　 　 !　　　　　　　　 　 　 　 |/　,.．------ ．.,,_　　 　 ｀　、 　 　 　 !
　　　 　 　 　 ｌ　　　　　　　　　　　　/,.'´//////////////,7,‐,､　　 ＼ヽ.　　,'
　　　　　　　　!　　　　　　　　　　　　;'/////////////////////＼ 　 ヽ、 /
.　　　　　　 　 !　　　　　　　　　　　 ,'///////////////////////,'ヽ 　 　 !
　　 　 　 　 　 !　　 　 　 　 　 　 　 ;//////////////////////////ヽ　　 }　　　 　 　 ,⊆ 乙
　　 　 　 　 　 l　　 　 　 　 　 　 　 l///////////////////////////∧　.{　　　　　　..`７⊂′　　 ＿_　　　Ｏ　Ｏ　Ｏ
　　　　　　　　 !　　　　　　　　　 　 l///-‐=＝ﾆﾆ＝=‐-_////////////∧ .〉　　　　　　 .`‐┘　　 　 つ)
.　　 　 　 　 　 ! 　 　 　 　 　 　 　 ;/ニニニニニニニニニ＼'//////////,{.ヽ
　　　　 　 　 　 !　　　　　　　 　 　 {ニニニニ二二ニニニニﾆヽ/////////l　}
　　　　　　　　　l 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ.ニニニニ二二ニニニニニ丶'///////,!∧
.　　　　　　　 　 }　　　　　　　　　 　 ﾞ.ニ二二二二二二二二二ニ丶'//////＼ﾞｉ
　　　　　　　 　 ,'　　　　 　 　 　 　 　 ヽニ二二二二二二二二二ニヽ'ｌ∨////,'＼
　　　　　　　　 {　　　　　　　　　　 　 　 ヽ_二二ニニ＝---――――┘ ∨/////,'ヽ
　 　 　 　 　 　 ! 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ.　　ヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=ヽ'//////,ヽ
.　　　　　　 　 ,.'　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ､　　 ヽニニニニニニニニニニニ丶,'/////∧
.　　　　　　 　 〉ー―------ 　 　 .....＿＿｝　　　ﾞ､ﾆニニニ二二二ニニニニﾆ＼/////丶
　　　　　　　,//////////////////////,l　 　 　 ﾞ､ニニニニ二二二二ニニニニ` ､'///丶

1835 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:14:40 ID:BJTlFz4c

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f´￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　…注射器？　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ＿＿＿＿＿＿_ノ







　　　　　　　 　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿∥
　　　　_＿＿＿┌====|.....　 |.....　 |.....　 |.....　 |.....　 |.....　 |.....　 |.....　 |.....　 |.....　 |――┼―――∥
　　　￣￣￣￣└====|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|.|――┼―――∥
　　　　　　　 　:　:::::::::::￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣∥::::::: :
　　　　　　　　　　: :　:　 ::　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　 ::　 : : :


.

1836 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:15:41 ID:BJTlFz4c

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　´　　　　....:　: : :: :::: :: : :　:
　　　　　　　　 　 ｼﾞｼﾞｯ　　 　 ／　　　　　　　　　　　　 ﾞ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　,/ﾞ　 ＿__>　　 　 (＿＿｀　 　 ﾞ',　　　　　　　　　 (危ないな)
　　　　　　　　　　　　　　　,/'　　(　 (;;)'　　　　;（;;）　）　　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　i!　　　ﾞｰ-'"　　　　 ｀-- ´　　　　 |　　　　　　　 　 (何も無い様に見えたけど
　　　　　　　　　　:　: : :: :::: :: : :　:　　......´　 　 　 　　　　　　 l　　　　　　　　　 こんな物が埋まっていたのか)
　　　　　　　　　　　　　　　i!　　 　 　　r-ー‐、　　.....:　: : :: :::: :: : :　:
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞi､　 　 　 　 -　 　 　　　　　 ,/'　　　　 　 　 　 　 (これからは足に注意しないと─)
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､　　　　　　　　　　　_,. - '"￣´"ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　／＿＿-`:':´:.:._,.. -　' ' ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:..￣｀ﾚ‐､
　　　 　 　 　 　 　 　 :　: : :: :::: :: : :　:.:':´:.:.:.:.:.:.:.:.::/.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:...:..:.／.:.:.:.:＼　　　　　　　　 　 　 　 f´￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ／＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.://／:.:.:.:.:.:._,.:-:..:　: : :: :::: :: : :　:. 　　　　　　　　　　  |　あっ　 |
　　　　　　　　　　　　　　}:.＼:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／／:._,:.‐:.':´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._,. -ー‐:: 　 　 　 　 　 　 　 ヽ＿＿_ノ
　　　　　　　　　　　　　　.:.:.:.:.:＼.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:／-:':':´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :＼_,:.‐:':´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . . -―　-- . . .＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィ: : : : : : : : : : : : : :　 : ｀ﾞ`丶、
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 :　: : :: :::: :: : :　:": ／: : : : : : : : : : : :＼～
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : ／: : : /: : : : : :{ : : : ヽ､: : : : ﾞ.､　 　 　 　 　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /: : : /: : : : :/: : : :i : : ! : : : :.:　: : :: :::: :: : :　:　　　　|　なんです、あ、って　  |
　　　　　　　 　 　 　 　 :　: : :: :::: :: : :　:.: : : : !: : : : ! : : i! : : }: :}ｨ㌫ : : : }　　　 　 　 .ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
　　　　　　　　　　　　　　 ﾞｰ=彡ィ: : i: : : :{: : !: : : : !: : :j"､: ﾉ: :! {:;ヽ: : !ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　/ i!i!: : :!: : : :i: : :; : : :λ: :j!示ｿ`ｿ　ゝｿ}:ﾉ: `彡
　　　　　　　　　　　 　 　 　 { :i { : : i : : : :}:ﾞ､: : : : : :∨:+:::ﾊ　　　　ﾉﾘ: : ヽ　　　 　 　 　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　弋ゝﾞ､: :{ : : : j: : ﾞ､ : r=＼＼♥ノ_,　　,　λ: : /　　　　　　 　 |　忘れ物なら取りにいけませんよ　　..|
　　　　　　　　　　　　　　　　　`'ミヽ: ＼ ﾊ: : : : 弋__ﾞ, ﾞｰ=＜　__ ..:<　ゝ:廴_ノ　　　　　　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
　　　　　　　　　 　 　 　 :　: : :: :::: :: : :　:＼: :}: ﾊ: :＿ ＼: ＿:ヽ :}ヽ:ヽ　)〉
　　　　　　　　　　　　　　　 ゝﾆ=彡ｲ ﾄ : : ﾊﾉ: ノ:ﾉ／) ノ;:;:;:;}｀/ﾉ :　: : :: :::: :: : :　:
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ: ,;ノ／}:=彡ｲ:／:,イr=≡=廴ﾞ彡 i!:/
　　 　 　 　 　 　 　 　 :　: : :: :::: :: : :　:　jﾉ: : :ﾉ人弋;ll} γ　　　 ヽ弋γ"⌒`ヽ　　　　ん、えーとね…
　　　　　　　　　　　　　x＝ﾐゝ(　 ゝ( ／: :／:〈;:;:;:jl(`ﾞミz､　　＿,,:A=｛:::::::::､;;;;_},
　　　　　　　　　x=＝〆､　　㌔　　〃: ,:< 戈: :ヾ～ ,..z斗ヾ"∧　 ﾊ　ゞ::::::::::ノ
　　 　 　 　 　〃　　 {{__))　 　 ii　弋 :(.:　: : :: :::: :: : :　:ノイ　　∧　 !　　￣
　　　　　　　 弋､　　 "''"　　　 ii　　 ﾞ～　　　 ／　　　 i　　　　∧ i!
　　　　　　　　　`:.ミz､　　　　　 ii　　　　　　〃_,i　　　　i　 　 　 :　: : :: :::: :: : :　:
　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ` ＝===♯===＝-彳￣ }　　　　! 　 　 　 ∧ﾞ':、

1837 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:17:17 ID:BJTlFz4c

　　　　　　　　　　　　　f´￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　|　あの注射器─　 |
　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿_ノ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　何処かで見た覚えが…　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ





:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:
　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ||
:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　: :.::┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬||＿＿＿||
:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　::::　　　　　　　　　　　　　　　　||　 　 　 ||
　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:. ::──────────||￣￣￣||
:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　 ||


.

1838 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:19:05 ID:BJTlFz4c

　　　　―　　　￣　　　　　　＿　　　　　　　　￣　　　　　　　　-　　　　＿　　　　　　　　￣　　　　－　　　－
￣　　　　　＿　－　　￣　　　＿　　　　　－　　＿　　　￣　　　－　　　＿　－　　￣　　＿　　　－　　　＿
―　　￣　＿　　　―　　-　_　　　　￣　－　　＿　-　=　≡　=　三　≡ =　≡　－　-　＿　ー -　＝　三　　－
　－　　＿　　￣　　　　―　　　￣　　　＿　ー　=　≡ 三　三　≡=　≡三 ≡ ＝　= ミ ｰ＝ ≡= ミー　、　＿
￣　　=　_　ー　　　￣　　- =　－ =　　－　三 =　ー =　＝ ≡　=　= ミ 、ー　三　≡　､　＿ ー ＿ 二ニ ＝ー
ー　=　＿　－　￣　＝ -　,，ー　= ≡ミ 、＿　,　-　_ ＿ ,　＝　三　≡ =　,　－ =　二 =　-,，'´ﾞ ﾟ ﾞ ﾟ ￣´:　:　:　:
,、　＿ ,，､ ＿,，、　,，= '´　三　- = ≡三　ミー =　、 ＿,，-　＝≡＝≡ _三＞= -　'’ ￣:　:　:　:　:　:　:　:　:　:
　ﾞ ﾟﾞ ﾟﾞﾟ　 　 　 　 ﾞ ﾟ　￣ ﾞ ﾟ ￣ ﾞ ﾟ｀￣　￣￣ ｀ ー=' ´￣｀￣　￣ ﾞ ﾟ ´ ￣:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:
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:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:
　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:
:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:

　　　　ｼﾞｼﾞｼﾞｯ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　　 :　:　: :: :::: :: :　:　:　　　　　　　　　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　:　:　: :: :::: :: :　:　:
　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 ＼
　　　　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ',　　　　　  見たって、何処でですか
　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　:　:　: :: :::: :: :　:　:　　　  ',
　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .　　　　 まさか、クッキー鉱山の通りとか
　　　　  :　:　: :: :::: :: :　:　:　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i　 　 　 行ってないでしょうね
　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |
　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　　 　 　 :　:　: :: :::: :: :　:　:　　　　　　 あそこは、大体が抜け出せない連中ばっかです
　　　　　　　　 '.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }
　　 　 　 　 　 __',＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　　　 ﾉ　　　  麻薬とかならまだしも、こいしだと
　　　　　 :　:　: :: :::: :: :　:　:二二二二二二二二二二二ニ＼ 　 ／　　　　 解体しようとしてくる奴ぐらいは…
　　　　 ／二二二二二二二二二二二二二二 :　:　: :: :::: :: :　:　:
　　　　 }二二二二二二二二二二二二二二二二二二ニﾆ∧
　　　　 i二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ
　━ 　 ━　┳━┳━┳━┳　 ┳━┳━┳　 ┳━┳━┳━┳━┳━　 ━┳━┳━　　　 ━　　━　━

　　そんな事言われても、先程から足は歩みを止めず
　　既に先程の注射器は背中の向こう側だ。

　　さっさと進むしかない。

　┻━┻━┻━┻━┻　 ┻━┻━┻　 　 ━┻━┻━　 　 ┻━　 ━┻　 　 ━　 ━┻━　━　…‥

1839 ：名無しの工員さん：2016/02/21(日) 23:20:22 ID:rQXIJoMw

足跡はどうなってんだろう迷彩

1840 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:20:39 ID:BJTlFz4c

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...,,----: : .,, ∧
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 : : :: ::: :: : :::::::::::::::::. : : :: ::: :: : :　　ｼﾞｼﾞｼﾞｯ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'≦:::::::::::::::::::::::::::::,'　　　i:、
　　　　 　 　 　 　 .: : :: ::: :: : :.: : : =＝ニ'"'":ﾆニ:::::-:: ､{　　、 }::ﾞ､　　＿ __
　　　　　　　　　　　　　　r''::::::::::::::::::::,.:・''" : : : : :｀゛丶: .`'ヽ、:｛~｝'"~　　　 ヽ
　　　　 　　　　　　　　　 'i､::::::::::::::.イ: : :／ :／: :: : :: ::: :: : :．:::::　ヾ. : : :: ::: :: : :
　　　　　　　　　　　　　　 ';:::::::::::::(: :}: :λ: /: : : : : : : :〉: :}: : :ﾞ':､;;丶　　　／
.　　　　　　 　 　 　 　 .: : :: ::: :: : :::: :: : ::ｨ={: : : : : ﾉi,人 人 λ: :＼ ､ r''´　　　　　　　 そうじゃなくて、ね
　　　　　　　　 /⌒ヽ　　　 ヾ::::::彡 ﾊ{"{ :: i､ : ﾄ,/ん.ヾﾐ"'": :T'''~ : !ヾヽ
　　　　　　　 Y　　　ﾉ⌒)　　 ＼::;' ゞt　':,,,ﾉ ヽ:}　{ ::: ﾉ'ﾞ: : : : :! : : :.: : :: ::: :: : :　　　　  もっと昔
　　　　　　　λ　　 　＜　　　　　i ﾉ :ヽ　 　　 _　 'ー(r～ : ノ: : :/::::::::::::ヽ',　 　 　 　 できる夫と出会う前
　　　　　　　　 ＼　　　 ｀'ー--=ﾉへ,,、｀:'::-,、　＿,..(: : :人( : : :〈::::::::::::::::::ﾞ､
　　　_　　　_　　　＼　　　 　 : : :: ::: :: : :.r'".::(,イ"^ﾟi､).,ｨ :ノ: : : ､:ヽ:::::::::::::::::〉
　　f　ヽ　 ( )　　　　) _.._　　　　　/::〃γ"／ﾞ:､: ::::::´_､Y~ﾉ :,ノ:ゝミ=- -・'´_　 _
　 人　i　　メ,, ＿ .〃:::::::ヽ‐-...: : :: ::: :: : :..:::::::::::y- ､:彡~('" ￣　　　　　　(　Y　)
　　　 ﾅ ''"　　　　λ::-‐':;ﾊ　 廴/::ヾ>-‐i::::::＿::} 　 ヽ ,, '; ⌒メ^γ^i　　　ヽ .／
　　　/　　　　　　　 .>ー''´ ,,.::-､{:::::::::}　.〉',::::::::::::i　　　ヽT''"_,,_.｀ーﾉ―--‐ｺ
　　 /　　　　　　　　(, -()／::::::::::ゝ__/-〈　}:::::::::::::'､　　　 }<´:::::`ｰ/:::::.｀ヽ ｲ≦　　 　 　 　 　 お母さんが居て
　　〈　　　　　　　 ／:"'"~~＞､-‐':.:.ヽ　　 i::::::::::::::::ヽ__,,,,ﾉ　>｀-‐-:.､::::.: : :: ::: :: : :ヽ
　　 ヽ　　　　 .: : :: ::: :: : :　:.:.:.:ヾ／:.:.:.ﾞ～->､_／::::::ﾉ　　／ヾ:.:.:.:.:.;;.:〆'ー:､::::::::::::::〉　　 　 　 それで…。
　　　 ｀ ー‐---､ )::::::::/:.:.:.:.:.:.:./:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ､__ノ(^Y"):＜"';￣.:.:.:.:.:.:.:.:.:.':､,,,___<
　　　　　　　　,-―‐-/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:."・,,_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..: : ::.: : :: ::: :: : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:j´::::,'"ﾞ
　　 　 　 　 .: : :: ::: :: : :: :: : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:."''ー-.:.:-‐''".:.:.:.:.:.:.:.ﾉ:.:.:.:＿＿.:..: : :: ::: :: : :
　　　　　　　　{::::::::::人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:￣.:.:.:.:.:.:.:.／:::￣':,
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣　　　　　　　 ￣
　━ 　 ━　┳━┳━┳━┳　 ┳━┳━┳　 ┳━┳━┳━┳━┳━　 ━┳━┳━　　　 ━　　━　━

　　腕の中で、彼女のアイカメラが収縮し止まる。
　　ここには無い、何処かを見るように虚空を捕らえて離さない。

　　それは一瞬だが、本物の人間が腕の中にいるような仕草で
　　思わず立ち止まり、見入ってしまう

　┻━┻━┻━┻━┻　 ┻━┻━┻　 　 ━┻━┻━　 　 ┻━　 ━┻　 　 ━　 ━┻━　━　…‥

1841 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:21:50 ID:BJTlFz4c

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,..-''"´ 　 　 ｀"''-、
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　 　 　 :　: : ::: : :　:
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　― ,　　　　 ,―　　 ',
　　　　　　　　　 　 :　: : ::: : :　:　　　　　　　　　　　　 i
　 　 　 　 　 　 　 　 　 l　　 　'　●｀　　　　´● '　　l
　 　 　 　 　 　 　 　 　 l　　　　｀" '´　　 、　｀"'´ 　 l　　　　　…………こいし？
　　　　　　　　　　 　 　 '.,　 　 　 　　 　 　 　　　　 /
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ、　　　 ―――　　 :　: : ::: : :　:
　　　　　　　　　　　ノ"￣´´"￣"' - .,_ ..,_＿＿／ヽ
　　　　　　　 　 :　: : ::: : :　: .:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:／
　　　　　　　　　　,/´￣｀,;_:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／＼
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　　　　　　　　　　　 　　,.:::'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　'､<Ｏ＞ ﾉ
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　 　 　 　　　　　　 　/'''""　　￣　￣　　＿　＿　＿"""''''',　　　く|　　 ヽ／
　　　　　 　　　　,,,: 、ｿ''""　￣　￣　　　　　　　　 　￣｀""'''ー,,... 　　　 　　 ∠|
　　　 　　,,.:::::''"::::::::: ﾌ　 　　　　／　　　　　 　　　　　　',　　)::::::::::｀'ヽ
　　　　　(::::::::::::::::::::::,′　　　 ノ/　　 '⌒　ノ　 ﾉ　ｨ　　 ﾘ　 ヽ:::::::::::::::::)　　　＜|
　　　　 　｀"'ー---:ヽ 　 -=彡　　 ,ｨｨｆ示ミ:彡´ ノ_}　　 〉　)人- :　: : ::: : :　:
.　　　 　 　 　 　　　　)) 　　 7　　 ﾉ{ir'::::i}　 "''" 　ﾉ≧ノ　 ｲヽ)
　　　　　 　 　 　 :　: : ::: : :　: 　 　ヾ弋::::ｿ　　　　 ｨ介i}　 }　} ((
　　　　　　　_,,,.......,,{__/　 〃 ヽ 　　⊂⊃　　　　　ﾋｿ/　 ﾉ /} ﾘ
.　　　　　 　(　Y(_ノ　"''メ　　ﾊ 　　　.}　　　　 　⊂⊃.イ　i_ﾉ
.　　　　 　　 ＼ゝ、_.ノ　〃⌒ヽヽ　 _ﾉ､_xｰ'^ーヘ,,ノ (　.ノ´
　　　　　　　　　ヽ)　　/ 　　　 ヽ)jﾉFlY__＼／＼ﾊ　 ﾉソ　　　　　　　あっ、思い出した
　　　　　　　　　　(n　 }　　　. : :}〃ﾉ´ ﾆう'ﾞ＼／rﾍ (
　　　　　　　　　　 人/＼ 　　 フ}}::{ 　‐ノヽ／ :　: : ::: : :　:
　　　　　 　 　 　 :　: : ::: : :　:　  {{:::::ソ⌒ヽ／⌒ く/{
　　 　 　 　　　　　　く　　　ヽ__〃:/　　　　}.　　　 ヾ
　　 　 　 　　　　　／7≠=7/! ヾ/　　　　 ,'　　　　 ',
　　　　　 　 　　／　/:.:.:.:.:.:〃　.,'　　　　 人　  :　: : ::: : :　:
.　　　　　　,,　'" 　 /:.:.:.:.:.〃　　i　　　　 /　ヽ 　　　ﾄ、
　　　,,　'"　　 　.／:.:.:.:.:.:.:.{{　　 |　　　 ./　　 ﾊ.　　｜＼

1842 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:22:18 ID:BJTlFz4c

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　　 /:　:　: ／:　:/ :!{　/7:::::::::::;ﾍ/　　 V:　V　 ''"￣｀`ヽ!　:　/:　:　:　: }　: i::::::::::::::::::::::::::
　　i!:　:　ィx‐- く　　　{:弋:/⌒V　　　　V:V　　／:⌒:ヽ　ﾞ:、/　:　:　:　i!　: i＿:::::::::::::::::::::
　　{　／/ゝ、::::::::＼　 ゞ、ゝ_ｯ　　　　　 V　　/::::::::o::::::}　 ! .}　:　:　: /　:　{　　￣￣￣　　　　　　ねえ、できる夫
　　!/　 {　:　:ﾄ:､ ＿ﾉ　　　￣　　　　　　　　 /7:::::::::::;ﾍ/　 }　i　:　: ﾝ :{:　:　!ヽ
　　 .f^i{ }　/)'､　　　　　　　　　　　　　　　　{:弋::::(⌒''　　/ ﾉ:　:／　:ﾊ:　: ﾍ　}　　　　　　　　　　 電脳は知ってる？
　 (ヽi　! y/7__ヽ 　　　　　　　　　　　　　　　ゞ、ゝン　 ／ 〃／:　:　:　:!＼: ＼
　　 Y:::::〃/^ヽヽ＼　　　　　　　　　　　　　　　　 x=- ､　〃:　:　: }:　:　:}　　ﾉ￣
　 Y弋___ノ:::::∧ ﾞ､　｀・､　　　　r-、　　　　　　　 ゝ、　　｀ﾞヽ:　:　:ﾊ　:　:! ／''"￣￣ヽ
　rﾉ:::::::::::::／　 ﾞｰ≒⌒}::iヾ 　　ﾞｰ'　　　　　　　　　　ﾞ＜___ン :　:ﾘ　i:　:ｿ　　　　　　　 ﾞ,
./::::::::::::／　　　　　 ':,　ﾞ､＼ ＞ミ≧,,.　＿　　　＿ ,. イ:／ﾉ／) :/　 }: /　　　　　　　　 }
.ゝ､:::イ　　　　　　　　＼ゞ:::／ {::::::,,:::イr''ヘ￣:　:　:__/) :: ﾞ.／ /　　j/　　　　　　　　 ./
　　 ＼.　　　　　　　　　 ＼　〃⌒ Y-‐'"￣ﾍ￣／::::}　)::::　フ　　　　　　　　　　　 ／
　━ 　 ━　┳━┳━┳━┳　 ┳━┳━┳　 ┳━┳━┳━┳━┳━　 ━┳━┳━　　　 ━　　━　━

　　さっきの表情はなんだったんだろうか…。
　　氷が解けたように、動き始めた今では考えても仕方ないだろう。

　　言われた事についてだが、知ってる。
　　というか、知らない方が可笑しいだろう。

　　電脳化。
　　人間と機械の距離を、隣人から一気に内臓にまで縮めた立役者。

　　この技術は、脳に直接、膨大な数のマイクロマシンを注入し、神経細胞と結合。
　　電気信号のやり取りを可能とし、脳と外部を直接接続する事に可能とした。

　　つまり電脳化さえ果たせば、キーボードなどの操作媒体を介さず直接操作できる。
　　逆に機械のファイヤーウォールなどから、脳を焼かれる可能性などはあるものの
　　これさえあれば、瞬きの間に遺跡のセキュリティなどを掌握できる、前時代の
　　超技術の一つである。

　┻━┻━┻━┻━┻　 ┻━┻━┻　 　 ━┻━┻━　 　 ┻━　 ━┻　 　 ━　 ━┻━　━　…‥

1843 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:22:45 ID:BJTlFz4c

　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　/　/.　　　 　 　 　 　∨/ 　 // ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　/　/　　　　　　　　　　 ∨/ ′// ∧
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　/　/　　　　　　　 　 　 　 ∨ /　 // ∧
　 　 　 　 　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨// ′/ ∧
　 　 　 　 　 |　それがどうかしました？　 |　　　　　　　　　　　　　 .∨ ′' , / ∧
　 　 　 　 　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ　 　 　 　 　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　　　/　/　　　　 　 　 　 .|　実は僕らは既に脳だけの存在にされてて…　 　|
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　/　/　　　　　 　 　 　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
　　　　 　 　 　 　 　 　 ／￣ヽ 　/　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ /　/ 　∧
　 　 　 　 rｒ‐ ､__＿＿_!Ｌ.　　　 /　/　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨/　/ / ,∧
　　　　 　 ＼､ ｀￣￣ヽ＼　`　/　/　　 .f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ.＼
　　　　　　　 ＼､＿＿___　＼,/ ∨　　　.|　とか言うならどうしようもないのですが..　.| _,ｲ
　　　　　　　　　 ￣￣ ７ ＼_l!／　　 　 .ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ.／>
　　　　　　　　　　 　 　 ＼／　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∠￣ ` 〃｀'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 f二´＿＿,／´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｀￣￣￣´




　　　　　　　　　　　 　 　 　 __ jI斗 ｧ'^ﾏﾆ=ｰ-　 ,,_∧.　.jI斗ｧjI斗‐=＝ ｧ
　　　　　　　　　　 　 :　: : ::: : :　: :ｉ/ﾞ 　 Ⅶi:≫''"...,′∨.i≫''´i:i:i:i:i::　: : ::: : :　:
　　　　　　　　　　　　　　ｱi:i:i:i:i:i:i:′　　 }''´　　...,′.　∨ー‐=ｧi:i:i:i:i,. ﾞ
　　　　　　jI斗 =＝=- ミLi:i:i:i:i:i:i{i　　　 .;　　 ／i{　　　 !...｀`'くi:i:i:／
　　　　　 ⌒` ､　　　　　 ｀`　､ｉ:j{i　　　〈　／i:i:i.人___ ノ.　.､　 ＼
　　　　 　 　 　 ＼　　　　　__ j{⌒ヽ　　 'くi:i:i:i／ ､　　 ヽ　 ＼ｰ‐ヽ
　　　　　　 　 :　: : ::: : :　:  ⌒从　　}　　　ﾉ／　　 {＼__　‘,　､ ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾉ⌒乂_／'ﾞ　　} 　 }´　ヽ　::　: : ::: : :　:
　　　　　　　　　　,,.｡ci}　 　 イi:i:i:i:i:i:i／　斗ｧ'{"　,　 __　Vﾞ, 　 Ⅵ
　　　　　　 ,.｡*''",.才ﾞi:ｰ≦:i:i:i:i:i:ｉ .イ　 ｛　/__ }　/　'⌒^'　}i　　:}j　　　　　　　それは私の頃にも
　　　　　*ﾟｰ=≦i:i:i:i:i:i:i:i:i: .｡s≦　 人　　 '^⌒'},/ 　 '　 　 从　人　　　　　 　 古かったと思う！
　　　　　%,　　 ¨⌒¨¨¨´ﾉ／　／　　 ＼.　 ヽ　　v　)　　 仏ィ'⌒ﾞ'
　　　　 　 ％｡　　　 :　: : ::: : :　: 　,:ﾞ　　　ヽ　 }s｡.　　　 :　: : ::: : :　:
　　　　　　　⌒‰｡,,_　　　'ﾞ　 ﾉィﾞ　__彡'ﾞ⌒V ｣{　爪 .从/　　　　　　　　　　　そういう話じゃなくて
　　　　　　　　　　⌒"''∝㏄c｡.ﾉ'ﾞ⌒ﾉ .. .. .. .. .. ｱｰ‐く　　　　　　　　　　　　　 さっきの注射器…
　　　　　　　　　　　　　　　　＾⌒'／.. .. .. .. .. .. ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　 く⌒ ､ .. .. .. ..,ﾉ　　　　}＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀T{i: ｰ‐七I}　　　　 ,:  :　: : ::: : :　:
　　　　　　　　　　　　　　　　　:　: : ::: : :　: /　　　　/
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |'　‘,　,/　　　　 ′　　　 .｝
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　_j{　　 V ｰ=彡　　　　　 ,.ノ}
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 「 　 　 j}　 　 　 {i　　 :　: : ::: : :　:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　 r'ﾞ､,ノ　　　{i　　　 　 i{　⌒％.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　 }　　　　　 .{i　　　 　 i{L　　 ⌒％.,

1844 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:23:16 ID:BJTlFz4c

　　　　　　　　　　　　　f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　|　昔、電脳化する技師さんが　　 |
　　　　　　　　　　　　　|　使ってたような─　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ









　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |Y::::.:;;;ﾏ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.;;;;;ﾑ　.　　　　　　　　　　 |;;;;;;　.　　|
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ﾐヽ....　　　　　　 　 　 　 　 |:::::: :;;;;;;;;|　);;;;;;;;;;;;ノ　 　 　 　 　 　 　 　 　 |;;;;;;;　　　|
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1845 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:23:44 ID:BJTlFz4c

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　　　　　　　　 　 　 　 　 :　: : :: : :　:　　　 ｀"''-、　 　 　 .＼　　　/
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　 　　 　 　＼　　　　....＼､/／
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　― ,　　　　 ,―　　 ',　　　　 .､_）(´
　　　　　　　　　　 　 　 ,'　　　　　　　　　　　 　　 　 i　 　 　 ｀Ｙ＾＼
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　　　 　 　 l　l　从j'Y　 　 ／　　　　＿_　 　 　 ＼　  ∨iハニニニニ从j'Y　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨iハ　 l　l
　 　 　 　 .i　l　斤W　　 ／　 　 　／　　 ＼　　　　　　 ㌣いﾆﾆﾆﾆﾆ斤W　　　　　　　　　 　 「ｌ　/7　　　　...㌣い.　 l　i
　　　　　　l　l　|友ｶ　 〈　　　　　 | 　 〇　 |　　　　　　  }ｿ川ﾆﾆﾆﾆﾆ|友ｶ　　　　 　 　 　 「l　|」 //　　 　 　 .}ｿ川. 　l　l
.　　　　　 l　l　 い叭　　　　　　　 ＼＿__／　　　 　 　 .仄ガﾆﾆﾆﾆﾆい叭　　　　　 　 　 .|」　 .//　 　 　 　 .仄ガ. 　l　l
.　　　　　 l　l　..Ｗi从　　　　　　　　　　　　　　　　　　从ﾉﾘニニニニＷi从　　　　　　　　　　〈/　　　　　　..从ﾉﾘ. 　l　l
　　　　　　l　　　∀t△　 三三三三三三　　　.／　　∧fﾘ/二二二二.∀t△　　　　　　　　　　　　　／　　∧fﾘ/　　　.i
.　　　　　　ﾞi　　　ﾞﾏじへ、　　　 　 　 　 ／／　　 ／リiУ二二二二二ﾞﾏじへ、　　　 　 　 　 ／／　　 ／リiУ　　 ./
　　 　 　 　 ﾞi　 　 ..＼夊i㌧､_　 　 　 ／／ 　 ,.イ!刋／ニニニニ二二二＼夊i㌧､_　 　 　 ／／ 　 ,.イ!刋／　　　./
　　　　　　　 ヽ　　　　`マ才i｢≧ｪ｡。．。｡っ夭テ少'ﾟ三三三三三三三三三`マ才i｢≧ｪ｡。．。｡っ夭テ少'ﾟ　　　.／
　　　　　　　　 ヽ　　　　　｀ﾟ'' ミ芝玉竺壬云=‐'´　　　　　　 　 　 　 　 　　　　｀ﾟ'' ミ芝玉竺壬云=‐'´　 　 　 ／

1846 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:24:22 ID:BJTlFz4c

圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ilil
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭伝斗ゃ'で~ ￣￣￣¨功ァｭ｡.圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ili
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭 _. ＜　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀丶､圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ilili
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭,.rf厂　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 劣iｘ.iiiii圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ili
圭圭圭圭圭圭圭圭／  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.;;;;;ﾑ　.　　　　　　　　　　 |;;;;;;　.　　|  ＼iiii圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭i
圭圭圭圭圭圭圭Ⅹ ;;;;;;ゝ::::::::::::::::::::::ﾉ 　 　 　 　 　 　 　 　 |;;;;;;;　　　|　　 ヽiiiii圭圭圭圭圭圭圭圭圭il
圭圭圭圭圭圭 .Ⅸ ::.;;;;;;;;;;.ゝ:::::::::::::::（　　　　　　　　　　　　 |;;;;;;;　　　|　　　 Ⅹ圭圭圭圭圭圭圭圭圭i
圭圭圭圭圭圭 /  :::::: :;;;;;;;;|　);;;;;;;;;;;;ノ　　　　　　　　　　　　 |;;;;;;;　　　|　　　　 Ⅸi圭圭圭圭圭圭圭圭ili
圭圭圭圭圭ミ∧ :::::: ;;:::..:;|(;;;;;;;;;;;;;（　　　　　　　　　　　　　 |;;;;;;;　　　|　　　　　 Ⅵii圭圭圭圭圭圭ilili
圭圭圭圭圭 ,′ :::::.　 　 |　ヽ::::::ﾉ　　　　　　 　 　 　 　 　 |;;;;;;;　　　|　　　　　　Ⅶ圭圭圭圭圭圭圭
圭圭圭圭圭φ　 :::::.　 　 |　　ヾ（　　　　　　　　　　　 　 　 |;;;;;;;　　　|　　　 　 　 Ⅷ圭圭圭圭圭圭ilili
圭圭圭圭圭i　　  :::::.　;;;;:::|　　ヾ::ゞ　　　 ＿＿＿＿＿＿＿|卅;;＿＿|＿＿_＿　　ｷ圭圭圭圭圭圭ililili
圭圭圭圭圭| 　　. ::::..　 　 |　　ν　　　　 ///.　　　 //√￣￣￣￣￣￣７　/　|　　|圭圭圭圭圭圭圭i
圭圭圭圭圭l 　　 :::::.　 　 |　 　 　 　 　 ///」￣￣//ﾉＴＴＴＴＴＴＴＴＴTT///」￣￣ l圭圭圭圭圭圭圭il
圭圭圭圭圭ｷ　　:::.　　　 |　　　　　 　///」￣￣// 冊冊冊冊冊冊冊///」￣￣/ i圭圭圭圭圭圭圭il
圭圭圭圭圭.Ⅷ　 ::::　　　 |　 　 　 　 ///」￣￣//　|||||::r────‐///」￣￣/  √圭圭圭圭圭圭ililili
圭圭圭圭圭 .Ⅶ :::::.　 　 |　　　　　///」￣￣//...　|||||::|　　　　　　///」￣￣// ,'圭圭圭圭圭圭圭ilili
圭圭圭圭圭圭Ⅵ::::::　 　 |.　　 　 ///」￣￣// . 　 |||||::|　　 　 　 ///」￣￣/ ∨圭圭圭圭圭圭圭ililil
圭圭圭圭圭圭Ⅸ::::::　 　 |　 　　///」￣￣//;;...　　|||||::|　　　 　///」￣￣//Ⅸ圭圭圭圭圭圭圭圭lil
圭圭圭圭圭圭圭Ⅹ..　　  |.　　 ///」￣￣//;;;;　　　|||||::|　　　 .///」￣￣/  Ⅹ圭圭圭 f´￣￣￣｀ヽ　li
圭圭圭圭圭圭圭圭ヽ  三|　　///」￣￣//;;;;;;;　 　 |||||::|　　　///」￣￣/≠圭圭圭圭 |　……。　 | li
圭圭圭圭圭圭圭圭　＼ |≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ／圭圭圭圭圭圭 ヽ＿＿＿_ノ i
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭 ヽ､ TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT ,.ィ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭lil
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭`ﾐ＜　 三三三三三三三三三三  rf〔圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ili
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭 ｀≧=‐-= ﾆ二二ﾆ=孑≦.圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭lil
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ilil

1847 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:24:44 ID:BJTlFz4c

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
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　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞi､　 　 　 　 -　 　 　　　　　 ,/'
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　　　　　　　　　　　　　　 ／＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::　: : :: : :　: :.:.:.:._,.:-:.:'::.:.:.:　: : :: : :　:　　　　 └──────┘
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　　　　　　　　　　　　 ＿＿　 ﾉ／　　ヽ　　/／　　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　ｨ劣圭圭至≧z.. :　: : :: : :　:　　　　　 j/
　　　　　　 　 　 　 {圭圭圭圭圭圭ミ℡､(　　　　　　 　 j≧x、
　　　　　　　　　　　i圭圭圭圭圭圭圭代ﾐ℡､...＿＿＿ﾉ圭ミ心､
　 　 　 〃⌒ヾ、:　: : :: : :　: 圭ミ≫'": ⌒: :｀寸圭ﾄ､　ヾ｀寸　 :　: : :: : :　:
　　　 〃　　 　ﾍ　　 Ⅵ圭圭㌢ : : : : : : : : : : : `寸ﾐﾄ､　　｀寸圭ﾐ私
　　　ji!　 　 　 　ii　 　寸(_彡/ : : : : : : : : ＿/__: : ﾞ寸心、 　 寸圭;私
　　　{{　__　 　 　}} 　　癶｛ : { ／: : :／: : ／{: :｀: :〃ﾞ寸ミﾄ､＼ 寸圭lﾊ
　　　∨⌒ﾄ、　　jj　／ 〈(_ゝﾉ／γ: : :,,斗=ミ: :(: :{{: :iヽ寸ミﾄ､ `､寸l圭i
　　　∧__ﾉﾉ　　 jﾚ"　　/(__7: : : :{( : 〃 んilﾘ＼ヽ: : 乂( :ﾞ寸心、　Ⅵミ}
　 　 {{ `''" 　 ／ii　:　: : :: : :　: : : 弋: } 弋;ｼ　､_)_彡气ﾐﾄ､: Ⅵﾐム　Ⅵj!　　　　　 .船の方が気になるの？
　　　`ミ=彡'"　 jj　　 __＞''"__: : : ｛)ﾉ ;:;:;:;:;　 ' 　 んｨllｼ》:) : Ⅵミ :　: : :: : :　:　　...できる夫
　　　　　　_,,,...,,_jj　γ: __／f:::ヽ､/人 u　 　 ､　 ;:;`ｰ'"ノ: r‐‐-寸l私　{
　 　 　 ／:::::::::::::::ヽ弋(/ f7"r':ﾉ:{ : : :＼　　　 　 弋ﾆ"／￣　 / 〉ミﾊj!
　　　 /::::;{:::::::::::::::::ﾊ　弋/　 ら:}:.V{: :ﾊﾉ＼ ＿ γ" :/　　　　　 ﾉﾉミ私
　　　 {::::::乂;;;;;;;シ:::j! 〈(_!　　{::::{.:.:.:ヽ :}、　　　/: __/　　 ,..-r'''",ｨ幺圭l}
　　 :　: : :: : :　::::::ノ 　 ﾌ　　 つj!:〈(_ﾉﾉi ヾ　‐弋(:.i　　　{::=}: : (ﾐ圭圭ｿ
　　　　 {{` ｰ-‐ '"　 ／　　　弋ﾊ.:.:.:.:.:∧　　 ／::::i　　 ／} :　: : :: : :　:
_　　＿ ii　　＿　　 ﾉ　 :　: : :: : :　:.:＿斗=＜／^}i　∠::::::{: :jン　 　 ii
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斗''".:._/;;;;::::-―‐弋::..__　 　 　 Y 　 　{ﾞシ 廴ミ::::L{-ｫ:::/〉　￣　　　 }}
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1848 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:25:23 ID:BJTlFz4c

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　　i!: ／ /ﾞ・､　　.)弋::ン　　　　　　　/7:::::o::::::ﾘ　i}:/}　:　:　: /　:　:　:　:i､:::::::::::::::::::::::::::::　　　 　 そんなに心配しなくても
　　!/　 / :　{ ｀~´　　　　　　　　　　 i! {::::/⌒V　　} i!　:　: ／　:　:　:　:　!　｀'' ー -----　　　 　 大丈夫だよ？
　　　　 {:　:λ　　　　　　　　　　　　λ　弋_,　　 :　: : ::: : :　: :　:　:　ﾊ　:λ＝x
　　 .f^i{..:　: : ::: : :　:　　　　　　 　 　 .｀ー'"　　 ／イ'"ｿ　:　:　:　:　:　}:.:　: : ::: : :　:　　　　　　 　 光学迷彩はちゃんと
　 (ヽi　! y/7__:ヽ 　　　　　　　　　　　　　x=‐- ､　　／ :イ　:　:　:　:　!＼　＼/　　　　　　　　　　かかってるし…
　　 Y:::::〃/^ヽヽ＼　　r‐､　　　　　　　　ゝ、　　｀丶、　:　:　:　ﾉ　: ﾘ　　ﾞ''メ :ヌ
　 Y弋___ノ:::::∧ ﾞ.、 ＼ ｀''　　　　　　　　　　ﾞ ＜＿_ノ:　:　:　: ｲ:　: /　　／''"￣￣ ヽ
　rﾉ::::::::::::::／　｀':　: : ::: : :　:　　　　　　　 　 　 /:　:　:　:　彡..:　: : ::: : :　:　　　　　　.i}
./::::::::::::／　　　　　 ':,　ﾞ､＼ ＞ミ≧--- - ‐ ‐''{　　,,../)／ﾉ／)} :/　　　　　　　　　　ﾉ　　ｼﾞｼﾞｯ
.ゝ､:::イ　　　　　　　　＼ ゞ:::／ {::::::,,::イr''ヘ: __{ :／./ ヽ　ﾞ.／ j/　　　　　　..:　: : ::: : :　:
　　 ＼,　　　　　　　　　 ＼　 〃⌒ Y-‐'"￣ﾊ j/イ::}　 ):::　フ　　　　　　　　 　イ




　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀丶　　　　　　　　　　　　　　　|　そんなに怖いなら 　 　 |
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　＼　∧　　　　　　　　　 　 |　私が見ててあげる！　 |
　　　　　 　 .:　: : ::: : :　:　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,′∨　　　　　　 　 　 .ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′.　∨
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　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 :　: : ::: : :　:
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　 　 　 :　: : ::: : :　:　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　あ、ちょ、こら
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　　　　　　　　 {二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ!

1849 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:25:57 ID:BJTlFz4c

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ー　=　＿　－　￣　＝ -　,，ー　= ≡ミ 、＿　,　-　_ ＿ ,　＝　三　≡ =　,　－ =　二 =　-,，'´ﾞ ﾟ ﾞ ﾟ ￣´:　:　:　:
,、　＿ ,，､ ＿,，、　,，= '´　三　- = ≡三　ミー =　、 ＿,，-　＝≡＝≡ _三＞= -　'’ ￣:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:
　ﾞ ﾟﾞ ﾟﾞﾟ　 　 　 　 ﾞ ﾟ　￣ ﾞ ﾟ ￣ ﾞ ﾟ｀￣　￣￣ ｀ ー=' ´￣｀￣　￣ ﾞ ﾟ ´ ￣:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:
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1850 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:26:15 ID:BJTlFz4c

　　　　 　 　 　 　 .＿＿
　　　　　　　,..:::'::´:::::::::::::｀::::ヽ.､
　　　　　,.::'ﾞ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　...,.:':::::::::::::::::::::ｒ─;::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　.;'::::::::::::::l￣￣　　￣￣ﾞl:::::::::::::::':,
　　...;ﾞ::::::::::::::::￣,ﾆ'　　'￣=ﾆ;::::::::::::::::::!
　　 .!::::::::::::::::;r'~　,､　 r.　,_　ヽ:::::::::::::::l　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／＼
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　　　ヽ::::::::::::ヽ　　 ,／:r'´　 ノ::::::::::::;ﾉ　 　 　 　 　 　 __,,...,_　　　　　　 ＼／ ／>
　　　　＼::::::::::｀':::::':::::::::`ｰ':´::::::::::::<　　　 　 ,,.--‐/'"::::::::::::ヽ.／{　　 　 　 .<／
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　　　　　　　`'-::､::::::::::::::::;:::- ' ´　　　　　　..!::::::::ヽ､`ﾐ::::::::::::ﾉ }ヽ.　　　　　.└─┘
　　　　　　　　　　 ￣￣　　　　 　 　 　 .: : :: : :.:::::::::`-.._"'''" _/::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 r'､::::::::::::::::"''.:":::::::ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　ﾉ〈 ﾉ`''-::_:::::::;:,.-,'´ ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (j〈( Ｙ´从 ﾚﾉ 从八(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　ﾊミゝ - .イﾚ`､.: : :: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　`´.'"ζ::ゝ√::ヽ η
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　ﾊ.,_.ﾘ'､:Ⅳ`tｨ 'ζ、
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 : : :: : :;:;:::.ﾉ 　 {.} 　`Θ::::〉、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（.ﾉ~~..=＝{.}＝＝..~`´ヽ

1851 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:26:45 ID:BJTlFz4c

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　-一'　　 　　ﾞー-　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　／ ,==、ヽ　 　 /´,=、ヽ ＼
　　　　　　　　　　　　　　／ u （　（:::::::::i　l 　 　l i::::::::)　）　＼　　　　　 　 .…何ですか、こいし
　　　　　　　　　　　　　　| .　　 ヽ_ ｀ー´ノ　　　ヽ｀ー´_ノ 　　|
　　　　　　　　　　　　　　|　 　　　　 　　　 　 '　　　　　　　u　|　　　　　 　 また変な物でも
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　 　　　　 　f､-―ｧ 　 　　　　／
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　 　　 ..｀￣　　 　　＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　∨､ {{｀ヽ..　　　. イ.ｰ' {_
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ._,,-,∨､}}　 {ﾄ,;;;;;;;;;/ }　./ゞ〈::ヽ
　　　　　　　　　　　　_,..-.:"　ヾ、..:.:ゝ＼｡ | ｌ.|　|｡〃､く.:.:.:}`::..､,,_
　　　　　　　　_,..-.:"　　　　　　 ヽ.:.:.:｝}｀| .|.i |　´/　／.:.:ﾘ 　 .　　`i:ｰ.,
　　　　　　 ,´ｰ-､:　　　　　　　　　':.:´ヽ　.| l |　/／.:.:.:.:/　　　　　:i:::::::',
　　　　　　 l:::　　`::､　　　　　　　　 i.:.:.:.:ヽ,|| |／.:.:.:.:.:.:/ 　　　　　 .l:::::::::',




　　　　　　　　 　　　　　　　　 　 _,,.. ＿ _　　 　 　 　 　 __
　　　　　　　 　 　 　 　 　 _,-'' ":::: ::::: ::: ::´:"''‐., 　 　 ノ ソi
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::: :::: :::::: :::::: :::::: ::::: :::::＼.ノ　ﾉ　.!
　　　 　 　 　 　 　 　 /:::: ::::::: :::::: :::::: ::::: _::_,,..-‐'' "　 ｿ 　 ゝ＿ _,,. ,..＿ _　 　 　 　 　 f´￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　 　/:::: :::: :::_,,..-‐ '' " ´　　_ ,,..-‐'' "::::￣ :::::: ::::::: ::::: ::::::）　　　 　 　 .|　見つけ….　|
　　　　　　 　　　　 /-‐'' "´　　_,,. .-‐ '' " ´:::::::::::: ::: :::: :::: ::: :::: ::: :::::_; ''　　 　 　 　 　 ヽ＿＿＿＿_ノ
　　　　 　　　　 　 /.;｀:::-::‐::'::"::: ::::: ::: :::::: ::::: ::::::: :::::: ::::: :::_,,..-‐ ' "
　　　　　_,..,-‐:'':"´:: ::::::: ::::::::: ::::: :::::: :::::: ::::: :::: ::: _,,.. -‐'' "　'.
　 _,,-:'':"´::: :::: :::::: ::::: ::::::: ::::::: ::: :: :: _ ; _,,.. - . "´|　　　　∨. i
. (:;;__::::::::::: ::: ::::_:＿_;; =-.‐　''　.".´　}′_ ＿ }ヽ }:}　　 　 } i:.｜
　　　 ￣￣￣　 　 .ﾟ′　{, ィ7{　/　 ﾉ´爪｢;;うiヽﾊ′　　 .:　i:.i{
　　　　　　　　　　∨ 　 ∧ | ﾑ/　　　　　 V:ヅ'’ } 　 　 /:　|ハ
　　　　　　　　＿..｜　　　:N{ {:心　　　　　　〃　′ 　 /:..,i｜　　　　　　　　 　 r !
　　　 　 　 ／ 　 .｜i　 　 .:ヾ Vツ　　　　　　 　 |　　 /: / }.′　　　　　　　 　 ｜|　　　　　に二二l　 Ｏ　Ｏ　Ｏ
　　　　　 /　　　...ハ{､　　 ..:ハ〃　′　∩ うi　 |/　/:./　ﾉ　　 　 　 　 　 　 　 ヽﾆフ.
　　　 　 /　 　 　 　 |∧ ､ ..:{ 人　　　＜| |..ノ　 ,{| /}:厶__　 ／ ￣｀ヽ
　 　 　 /　　 　 　 　 　 ヽ{ヽ:|___,､≧=　ﾑ:-､..イ.斗'7′}＞｀i　　　　 ｜
　 　 　 ＼ ＿　　　　　　｀/:∨≦z/ ..／‐一 j.　斗:≦::::::::::::{　　　　　ﾉ
　　　　　　　　￣ ＼　　 / ..:.:.:.:.:.ﾑ../　ｰ　二}..:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::人_　　 　ﾉ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　 　´　 i
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾉ 　　　 f,{

1852 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:27:16 ID:BJTlFz4c

　　　　　　　 　 ┌──┐
　　　　　　　 　 │…え │
　　　　　　　 　 └──┘
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌──┐
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │何？│　　　　　　　 　 　　　 　 ／￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 └──┘　　　　　　　　　　　　 ／　°. . .: . . : . .ﾟ: . . : .＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／;　　. : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　U.. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｺﾉ反応　　 　 ／　　 .: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :..＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　; 　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　ﾟ　∪ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:|
　　　　　　　 　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ　 　 　 |　　　　:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:|
　　　　　　　 　 |　(見てみて、できる夫！)　 |　　　　  ＼　 u. :.: : : : : : : : : : : : : : ::,,:: : : : : : : : : : :／
　　　　　　　 　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_乂　　　　 ,..::＼　　 ::: : : : : : : : : : : : :〃:: : : : : : :､:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::_ ｀ヾ／".: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 X　　　 　 　 　 /::::;::::'"´::: ／´.: : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : : : : .＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　 　 |／::;:::''" / 　 .: : : : : : : : : : : : : : ::､: : : ,: : : : : : : : : :.ヽ.
　　　　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ　　　　 ／:::／|　 / 　 :: : : : :.:::.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : i
　　　　 |　(船の右下欄干の間！)　  |　　　 /:::／　　ヽ.. |　　:: : : : :::y::.: :: : : : : : : .::ﾉ:::.ヾ:: : : : : : : ::i':: :　!
　　　　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_乂　　　,':::八　　　　 |　　:: : : : :.:i::.: : : : : : : : .::".:.:.:.:.::ﾞ:: : : : : : : :|:.: :. l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ゝ、::::ヽ.　　  |　　:: : : : :.:|:.: : : : : : : : .;:: : :.::.:: : :.; :: : : : : :|:.: :: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＞ｰ-）...,,_ | 　 :: : : : :.:|:.:.: : : : : : : : : : : .::: : : : : : : : : :.:|:. : : |
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ┼　　　　  r/:::::/　　　 　 | 　 :: : : : :.:|:: : : : : : : : : : : : ::.:: : : : : : : : : ::|:.: : : |
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 X　　　　 （.|::::::|　　　　　 | 　 ::. : : : ::l:.: : : : : : : : : : : : :: :.: : : : : : : : ::|:.: : : .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::|　　　　　 i 　.:: : : : ;;:l :: : : : : : : : : : : : :.: : :: : : : : : : ::l:.: : : ;,!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　＼:::＼＿,,,...  /　.: : : .: .:/　:: : : : : : : : : : : .: :: :: :..: : : : : :::|ﾞ:: : : /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣　（　 /　.:: : : : :/ 　 ;: : : : : : : : : : : :; :.:.: .:.; : : : : :::|:: : : /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　:: : :.: .:/ 　 .:: : .: : : : : : : : : :.:.ヾ.::.:;'. : : : : :.:l:: :. /

1853 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:28:41 ID:BJTlFz4c

　　　　 　 　 　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　 　 　 　 |　すっごく可愛……　　 |
　　　　 　 　 　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　´　　　　　　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　 ﾞ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　,/ﾞ　 ＿__>　　 　 (＿＿｀　 　 ﾞ',　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　,/'　　(　 (;;)'　　　　;（;;）　）　　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　i!　　　ﾞｰ-'"　　　　 ｀-- ´　　　　 |　　　　　右の欄干の間？
　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　 　　 ´　 　 　 　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　i!　　 　 　　r-ー‐、　　　　　　　,i'
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞi､　 　 　 　 -　 　 　　　　　 ,/'　　　　　　 ﾅﾆｶｱｯﾀｯｹ？
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､　　　　　　　　　　　_,. - '"￣´"ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　／＿＿-`:':´:.:._,.. -　' ' ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:..￣｀ﾚ‐､
　　　　　　　　　　　　　　　＼:.:.:.:.:.:.-`:':´:.:.:.:.:.:.:.:.::/.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:...:..:.／.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　 ／＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.://／:.:.:.:.:.:._,.:-:.:'::.:.:.:.:.:.:´￣｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　}:.＼:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／／:._,:.‐:.':´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._,. -ー‐::
　　　　　　　　　　　　　　.:.:.:.:.:＼.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:／-:':':´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :＼_,:.‐:':´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.

1854 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:28:57 ID:BJTlFz4c

､
　｀ ､
　　 ｀`､
　　 　　｀ ､
　　　 　 　 ｀ ､
　　　　　　 　 ｀ ､　 　＿＿＿＿　　　　　　  -=ミ
　　　　　,---､　 ヽ／　〃　　　 ￣｀ヽ　　　　　 ﾉﾉ
　　　　 l/´ /　ヽ、 ヽ　/＿　 ,ｨ　　　　 ',　　 ／　　 　 　 　 　 　 　 　 ,勹 　 .　　　 __
　　　　　ヽl　　　　｀ヽ/　　 〃　　　　　 ',　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 く く　　　　 　 l |　 ｎ　　 ＿_
　　　 　 　 ヽ、　　　　｀`ミ=-､__,　　　　.',　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼）　　　 　 Ｌ.ﾕ U　　　つ)
　　　　　　　　ヽ、　　　　　　　　 　 　 　 ',
────―-,-/`r､　　　　　　　 　 　 　 ',
　　　　　　　　ヽ_ノ、 ヽ、　　　 　　　　　　 ヽ
　　　　　 _ 　 _　 　 `Y, ヽ　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,勹 　 .　　　 __
　　　　 (´　 (´　　　 　 `‐ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 く く　　　　 　 l |　 ｎ　　 ＿_
　　　　 ｀''ｰ-｀''‐--　　　　  ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼）　　　 　 Ｌ.ﾕ U　　　つ)
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ、





　　　　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　／　　 　　＼
　　　　　　　　 ／　u　 　　ヽ　ヽ
　　　　　 　　 /　　　　　( ー） 　l
　　　　　　 ,≦三二ヽ~＼　 ＿´,'
　　　　　／三二≡=ｰ_ ノ＼ ／　　　　今度はなんですか、こいし…
　　 　 　ゝ--―二ー　´　　 ヽ
　　　 　 .|　　　　//　/ヾ　　 Y
　　　　　|　　　.//　 .Y　 　 　{
　　　　　|　　 //　　　|　　 　 |
　　 　　 rfｰ≠ー=-- }_,＿_　.|　　ｲｿｶﾞｼｲﾅ
　　 　　〈r≠/ー='""/　　　}ｴ〉
　　　　　|//　　　　　ゞ_＿/::::|
　　　 　 l,/　　　　　　|　　　　|

1855 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:29:21 ID:BJTlFz4c

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 f´￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　できる夫　  |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ＿＿＿＿_ノ







　　　　　　　　　　　　　　　　z-―＝＝＝＝―-x ､　　　　　　　　,,..＜~~7
　　　　　　　　　　　　　,,.イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ`丶、　　　イ　　　　}
　　　　　　　　　　　／:::::::;;;::・:::'':::":::::￣::::￣::::゛::::＞ミ:::、ミ:／　　　　　λ
　　　　　　　　　　ノ彡''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ`丶、　　 /　　ヾ
　　　　　　　　イ::::::::::::::::::::::::::::::::＿;;;::z＝ミ-- 、:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ /　　　 ﾊ､
　　　　　　／::::::::::::::::::::::イ: ￣: ／: : : : : : : : : : ＼ﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ　　彡　 ヽ
　　　　　/:::::::::::::::::::::／: : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : ﾍ ＞、:::::::::::::::::::::::ﾞ'､"''ー＜
　　　　〃:::::::::::::;;イ7: : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : !: : : : :ﾍ｀ﾞ`ヽ、::::::::::::'i,　　　＞､
　　　　{::::::::::::f´: : :i: : : ‐ '' "{"': : :/: : : : : : : :"￣ﾊ￣"ミ: 'i,: : : :ヾ:::::::::::::}　～彡イ
　　　 λ::::::::::{: : ﾉ: : : : : : -λ‐- {! : : : : : : : : : /-'i,: : : : ::!:}: : : :λ:::::::::::! .イ{
　　　　　ゝ::::ﾉ／ :/: : :ﾉ≦/=ﾍ≧.!i : : : : : : !: :/＝λ≧ﾐ: l:i: : ﾘ: : 'i,:::::::ｿ　　ﾘ
　　　　　　 〃 : : {: : /〃 ﾉ不示　!ﾍ: : : {: :ﾉノ/不示 :ヾ》:iﾉ: :/: : : ﾊ／　　ノ　　　　　　　　 やっぱりアレ
　　　 　 ／/: : : :弋/ 《.ノ候:♥利ﾄ{　＼ :!:〃 候♥:利ヽｿﾉ: ノ: : : : : :ヽﾍ／
　-＝ニr'"{ { : : : : : ＞ミ弋;;;:::_ソ　　　　ソ　 ゞ､::;;;ン　/彡 : : : /: : : :ﾊ　　　　　　　　　　　可愛くない
　　　 〃 人ゝ: : : : : : : ヾヽ　　　　　　　　　　　　 　 ／ : ノ : ／: : : : ノ
　　　弋 (ノ ＞- ミ : : : : }:ﾉ　　　　　　　　　　　　 彡: :イ: :／ : : : イλ
　　 -=彡/〃: : : : }~ヾ: :ﾉヽー､　　　　 へ　　　　　　／イ/i: : :／: /　'i,、
　　　　/ ゝﾄ､: : : λ彡λ　ﾍ　ﾍ　　　　￣　　　 ,,{⌒ !.{ λ{ :〃(: :{ヽ　i ＼
　　rf'7　　　r'ゝソ ﾍ:ゝ( 〉　 〉　.〉;;..._　　　　 _..;/λ　 !{　 ∧:{i /＼ ﾘヽ　 λ

1856 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:30:53 ID:BJTlFz4c

　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　,. -'"´　　　　　　｀¨ー ､
　　　　　 　 　 　 〉‐く_ :　　u　　　 　 　 　 　 　 ヽ、
.　　　　 　 　 ／〉　 / ,ﾊ :　　　　　　　　,.／　　 　 ヽ、
.　　　 　 　 /　/　 /　 厶　　　　　ゞ-‐´　 　 　 　 　 ヽ、
　　　　　　/　/　 /　 /　 }:　::::::::: 　 ,.斗ｬ七´　　　　　　ヽ
.　　　　　/　/　 /　 /　 厶　:::::::　 ≠＝＝＝　　　　U　　 ヽ.
..　　　　/　/　 /　 /　 /／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i
.　　　 /　/　 /　 / 　 ′　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l　　　　　　…はあ、そうですか
.　 　 /　/　 /　 /　　′　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 l
　　 / .ノ　ノ　 ノ　　 !　 　　　　 　 　 　 　 　 　 ij　　 　 　 /
　　｛　　　　　　　　　{....　　　　─ -‐'　　　　　　　　　　 ／
　　 ヽ 　 　 　 　 　 丶　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /
　　　 ヽ　　　　　　　　ヽ　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／
　━ 　 ━　┳━┳━┳━┳　 ┳━┳━┳　 ┳━┳━┳━┳━┳━　 ━┳━┳━　　　 ━　　━　━

　　なんなんだ、家のお姫様は。

　　とりあえず船までは距離がある。音も波に紛れて聞こえないだろうし
　　足跡も、波打ち際を歩いてきたから、ある程度消えてるはず。

　　とりあえず、このお姫様の機嫌を損ねたのが何かを見てみれば
　　済む話か。

　┻━┻━┻━┻━┻　 ┻━┻━┻　 　 ━┻━┻━　 　 ┻━　 ━┻　 　 ━　 ━┻━　━　…‥

1857 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:31:17 ID:BJTlFz4c

　　　　　　 　 　 　 ／⌒ヽ.._.｡ｬぁて丕刀ﾌ7ゎ｡._ 　 　 　 　 　 　 　 　 　　　　　 _.｡ｬぁて丕刀ﾌ7ゎ｡._ ,r'⌒＼
　　　　　　　 　 ／⌒ヽ,.ィ炙ヲ㌍≠┴⇒弍j込ｽ＞｡三三三三三三三三三,.ィ炙ヲ㌍≠┴⇒弍j込ｽ＞｡.,r'⌒ヽ
　　　　　　　　/ /⌒.ｨ升ｦナ'´ ／／　 　 　 ｀ﾞ'＜弖心、三三三三三三.,ｨ升ｦナ'´ ／／　 　 　 ｀ﾞ'＜弖心⌒ヽ ヽ
　 　 　 　 　 / /　;夕ﾌア´　／／.　　　　　 　 　 ＼ﾎi心.二二二二 ┌────┐ .　　　　　 　 　 ＼ﾎi心.　 ﾞi　i
.　　　　　　 l　l . んfУ　　　 ＿＿＿＿＿＿＿　 　 ▽ij∧二二二　 │えーと…  │　　　　　 　 　 　 　 ▽ij∧ 　l　l
　　　 　 　 l　l　从j'Y　 　 ／　　　　＿_　 　 　 ＼　  ∨iハニニニ　 └────┘　　　　　　 　 　 　 　 ∨iハ　 l　l
　 　 　 　 .i　l　斤W　　 ／　 　 　／　　 ＼ 　　　　 　 ㌣いﾆﾆﾆﾆﾆ斤W　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ㌣い.　 l　i
　　　　　　l　l　|友ｶ　 〈　　　　　 | 　 〇　 |　　　　　　 }ｿ川ﾆﾆﾆﾆﾆ|友ｶ　　　　　　　　　　 ┌──┐　　　  }ｿ川. 　l　l
.　　　　　 l　l　 い叭　　　　　　　 ＼＿__／　　　　　　 .仄ガﾆﾆﾆﾆﾆい叭　　　　　　　　　  │確か│　　　  仄ガ. 　l　l
.　　　　　 l　l　..Ｗi从　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 从ﾉﾘニニニニＷi从　 　 　 　 　 　 └──┘　　　 从ﾉﾘ. 　l　l
　　　　　　l　　　∀t△　 三三三三三三　　　.／　 ∧fﾘ/二二二二.∀t△　　　　　　　　　　　　　／　　∧fﾘ/　　　.i
.　　　　　　ﾞi　　　ﾞﾏじへ、　　　 　 　 　 ／／　　 ／リiУ二二二二二ﾞﾏじへ、　　　 　 　 　 ／／　　 ／リiУ　　 ./
　　 　 　 　 ﾞi　 　 ..＼夊i㌧､_　 　 　 ／／ 　 ,.イ!刋／ニニニニ二二二＼夊i㌧､_　 　 　 ／／ 　 ,.イ!刋／　　　./
　　　　　　　 ヽ　　　　`マ才i｢≧ｪ｡。．。｡っ夭テ少'ﾟ三三三三三三三三三`マ才i｢≧ｪ｡。．。｡っ夭テ少'ﾟ　　　.／
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　　　　　　　　　　　　 　 V　　　　/ィﾆ '''" ∧//　ﾊ ﾍ !// ヽ≦ニニ　个 　 ﾊ ∧　　　　　　　 　 　 　 　 └──────┘
　　　　　 　 　 　 　 　 / `ー─ 7　　 | ! 〉 ∧Y j:／≦ﾆニニ　　 　 　 ｜　 　ﾊ　',
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1858 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:31:49 ID:BJTlFz4c

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　 　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : ヾ　　　　　　　　 ┼
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　　　　　　　　　´_,./｀-:｀ﾞ:ヽ: : :_: : :,.: :'´: :´-:‐:､!　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　…トトロ？　　 |
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　　　　　　　　　　 ゝ: r‐‐‐'｀¨'''''¨´　　ﾞ'¨ヽ:., '　　　　　　　  X
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1859 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:32:19 ID:BJTlFz4c

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　　　　,:': : : : : : : : /: : :.i: : : : : : : : : : : : : : ･: : : : : : :-:.)―-
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　 　 !: : : : : : : : : i: : : : : : :｀: : : : : ,: ':´: : ヾ: rｯ-: ､く
　 　 i: : : : : : : : : i: : : : : : : : : : : : ': : : : : : : Y: : : : : :ヽ
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　　なんだありゃ、確かに可愛いといえば可愛いが…。
　　さっきのトイレでも見たじゃないか。

　　というか珍しいな、こんな警備ロボが生きてる遺跡で
　　害虫駆除にも引っかからずに生存してるミュータントなんて。

　　この下水道には、餌も無いはずだから
　　さらに生きずらいだろうに。

　┻━┻━┻━┻━┻　 ┻━┻━┻　 　 ━┻━┻━　 　 ┻━　 ━┻　 　 ━　 ━┻━　━　…‥

1860 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:33:31 ID:BJTlFz4c

　　　 　 　 　 ┌───┐
　　　 　 　 　 │って… │　　 　 ┌──────────────────┐
　　　 　 　 　 └───┘　　 　 │　　　　  ´_,./｀-:｀ﾞ:ヽ: : :_: : :,.: :'´: :´-:‐:､!　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　i: : : : : : :_ : : : : : : :_:_: : : : : :|｀　　　  │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 i: :r':¨:ﾞ:ヾ　` ｰ ´ヾ,/ : :｀: : : ﾘ　　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　 　 l: : : : : : :}　　 　 _人: : : : : :./　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　 ゝ: r‐‐‐'｀¨'''''¨´　　ﾞ'¨ヽ:., '　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　  ＼　　　　　　　　　 ／　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　 　 　 ヾ'ー-----‐''ｿ´　　　　　　　  │　　　┌───┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└──────────────────┘　　　│あれ？ │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 └───┘


　　　 　 　 　 ＿＿＿
　　　 　 　 ／　 　 　 ＼
　　　　　_,ｒ=＝=‐=‐=＝=、
　　　 ／λi(◎ =A= （◎)}｝、
　　　/　,ｼ ﾞｰ一´ ' `ｰ一"　ヽ　　 　 　 .一体、何を食べて…
　　 /　/ 　 　　￣￣　 　 　 |
　 /　 /＼. 　　　　　　　　 ／
　（ 　'￣　　 　　　　　　　＼
　　￣￣|　　　　 　　　　　　|
　　　　　|　　　　　　　　　|　|

1861 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:33:43 ID:BJTlFz4c

　　　　　　 　 　 　 　 　 ｝;;;;;し;;;/
　　　　　　　　　　 　 　 ,;;ｨ､;;;;;（
　　　　　　　　　　　　 く;;;;U;;;;;;ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 );;;;;;;;;;{
　　　　　　　　　　　 _／,;;;;;;;;;/
　　　　　　　　 　 _ノ;r‐1;;;;;;;ﾉ
　　　　　　　 n_,ｨ;;／_,ノ;;;;;（
　　 　 　 　 ノ,;;t-‐ｧ';;;;;くﾞy～,ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿_,ｨｧ..,─､
　　　　、_,ノ);;ﾊ;;） 'ｰ～'ゝ〕｛,ｨ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 Ⅴ:::/ ./::::::」,.-､
　　　　 つ,、´　　　　　　　 r' ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:::::〉 レ'´　ー'.
　　　　´_,ノ／/／,　　　　　∨　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｆ::::::レ＜´|.
　　　　　) n　　 　 　 　 　 　 V　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ　＿」::::::::_;＞‐'
　　　　 〈r' V　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /::'＜:::_::::::Г __
　　 　 　 　 ∨　　　　　　　　！　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:::::_;.匕..|:::::| .｢::::|
　　　　　　　 ∨　 　 　 　 　 イ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 レ'´ /::::| |:::::| .|:::/
　　　　　 　 　 ＼　　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /::::: | |::::::〉ﾚ′　　{i:|　.／Ⅵi:!
　　　　　　　　　　＼ 　 　 　 ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::／　|:::/　　　　　{i:|_/　　}i:i:}
　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　V　　　　　　　　 ＞::::::;　　　　　　　 ﾚ′　 l/　　　　　　{ﾚ'’　　.}i:i:}　　　　 　 　 ,._
　　　　　　　　　 　 　 ﾄ､　 　 　 ∨　 /｀V　　／″. '´　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 }i:i:}　　　　　　r'::ﾉ　r'ヽ
　　　　　　　　　　　　∧ヽ 　 ／＞‐ｲ 　 }⌒´_／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /+'’　　　　　　l::i　 /::/
　　 　 　 　 　 　 　 　 ∧　　／〃　 ` _丿　 ﾍ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／　　　　　　　　 L:j　「:ﾝ;へ
　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ /　 　 　 　 ｨ　/　 ､::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _／:／
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　　　　　　　　　　　　　　　 ＼,　　　　　 |　　{＿__、＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＾ｰl――く_/ く　　　:::::::
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1862 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:34:13 ID:BJTlFz4c

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,イ,イ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _ ,..　．　--― ―　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／i　i:::i.ｌ::i
　 　 　 　 　 　 　 　 　 _,. - "´￣ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i:::::i　i:::i.ﾚﾞ
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　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::i'ﾞ　　　　　　  ｎ ｎ
　　　　　　　　　/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　 ／:／i::::i　ﾄ､　　　　　 ｌ｣ l l　　　  i:ヽ. i:ヽ　　,へ
　　　　　　　　 .! ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　  i／,ｨ .i::::i　i::ヽ　　　　　 rリ　　 　 i:::ﾍ i::ﾍ　/:::/
　　　　　　　　.!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /::i　i::::i　ヽ::ゝ　　 　 　 　 　 　 ヽ::ﾉヽ:ﾉ/:::/
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1863 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:34:48 ID:BJTlFz4c

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾎﾞﾘｯ














　　　　　　　　　　　へ　　　　　　 　 　 　 　 ／:ヽ
　　　　　　　　　　/: : : :.　　　　　　　　　　 / : : : i
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　　　　　: : : : : : : : |／　 /　　　　 三/: : : : : ￣＼: : : : : : V
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　　 　 |: : : : : : : : : : : : : : :ノ :ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ii 　 　 ＼: : : : : : : : : : : :!
　　 　 乂_: : : : : : : : : :イ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:i:i|　　　　　　　＿＿__彡ｲ
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1864 ：名無しの工員さん：2016/02/21(日) 23:35:10 ID:rQXIJoMw

わぁい（白目

1865 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:35:19 ID:BJTlFz4c

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 λ: : : : : : :丶ヾ: : : : : : :ィ ‐'　　 　 |::V
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { 7: : : : : : : : : へ了{　 　 　 　 　 ｲ::v　　　　　　　　　　　 f´￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　.:.... 　　:.　:.　.... ..　　　　 　 　 　 .ﾘ j: : : : : : : : : : : :＞ 、 　 　 　 {:::v　　　　　　　　　　　　|　チチッ♪.　.|
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…'"　　　"''':;:,.,,.,..,.,.,.,.　　_./　＿＿　/　　＿　　-─　　￣　 　 　 　 　 　 　 | 　 　 ∧ }
:.:..,;:'"""""""""　　　 　 .∧ 　 　 　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　 } l
...;:,.,.,.,...._　　　 　 　 　 　 {　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　 　 　 l:ﾘ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＃005-5　『夕闇トトロ探検隊』

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ….to be continued

1866 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/21(日) 23:38:15 ID:BJTlFz4c

ここまで見てくださった方、ありがとうございました。
できれば暖かい乙を、それが作る側の餌であり、栄養源です。

できれば、一週間に一回は上げたいのですが
どうも納得がいかず…、途中で終わらせるつもりは
ありませんので、長い目で見ていただければ幸いです。　では

うおしゃあああ、本社みてくるぅぅぅーーー！！

1867 ：名無しの工員さん：2016/02/21(日) 23:41:23 ID:rQXIJoMw

乙でしたー

1868 ：名無しの工員さん：2016/02/21(日) 23:41:49 ID:MKpwVBPE

乙でした。
餌で釣って食ってるのかな？

1869 ：名無しの工員さん：2016/02/21(日) 23:43:13 ID:kaKBvqMw

このダークさがたまんねぇのです

1870 ：名無しの工員さん：2016/02/21(日) 23:49:37 ID:TijuXtzM

こええよ……　こええよ……　乙でした

1871 ：名無しの工員さん：2016/02/21(日) 23:55:23 ID:pIpfOijY

乙でした
早さか出来栄えか…難しいよね

1872 ：名無しの工員さん：2016/02/22(月) 00:01:16 ID:bg062mkA

乙
そういえば夕闇～ってPSの怪談ゲーから？ｗ

1873 ：名無しの工員さん：2016/02/22(月) 00:02:48 ID:1QizAvq2

乙ー　　やっぱトトロってこぇぇぇぇ！！

1874 ：東京蛆虫天幕 ◆6ed/B6FfIY：2016/02/22(月) 00:04:15 ID:hkziHbFE

>>1872
語呂が良かったのでお借りしましたｗ

最初は死神トトロ、だったのですが没話になり
ついでにこっちも、とお話的に絡ませるなら噂話とかも
合わせるとよかったのかもしれません

1875 ：名無しの工員さん：2016/02/22(月) 00:08:54 ID:CC41pwbA

乙ー

1876 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:53:15 ID:NF5vebCM

投下お疲れ様でしたー怖ぇよ、怖ぇよトトロ……！

そして、壁１２の投下間隔を開ける為にこちらの壁に投下させて頂こうと思います
今投下している短編の最終話、１３３レスとなります

翼の無い少女と、地の底の流れ星
前：ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/8225/1438708023/9739-9806
中：ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/8225/1438708023/9820-9889
後：ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/8225/1443870306/8348-8468
終（１）：ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/8225/1443870306/8476-8584
終（２）：今回

1877 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:54:04 ID:NF5vebCM

とんでもない時間なので、明日以降にでも見てあげてください（震え声
次のレスから投下を開始します……

1878 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:54:22 ID:NF5vebCM

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1879 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:54:33 ID:NF5vebCM

　　　 ｌ .`t'　　＼＿／　　　　　　　　　　　　li,　 .l,　　　　 　 　 　 　 |　　　　　.ｌ　＿∧＼ .ゝ --′ ./＜　　,iン／
-＜＿〉　 ＼./ 'ﾐ.　　　　 ..、　　　　　　　　　ｌ.ｌ.　.!　　 　 　 　 　 　 ｝　　　　　 ∨／＿_人　　　　　ｌ＿_＞´／
＼¨＼　　/　._／ﾞ'ﾆﾆﾆ､,　 'ﾋ､　　､.　'L　　　 |.ﾞl、l　　 　 　 　 　 　 !　　　　　　 .｀'''-..、　 ﾞl　　　　 .／ .,,‐ﾝ＿
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　＼ﾍ!　 ｀'.＼　《　｀'-＜＿|　 .ヽ.＼. ｌ l'.ｌ.＼　　! .ﾞl　　　　　　　　　l／| 　 　 　 　 　 　 　 　 ,／　.／＿人／　心
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　∨ 　Yゞ}　 .l　.／ﾞ.ｌ　　　　　 .＼, ヽ .｀″..ﾞ／ ヽ　　　　　　　 　 　 /.!ノ/　　,ﾝl' ／　＼｝／__}　/|＼　|　ﾘ､￣Y
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'ゝﾐ￢ ..,_　　　　ふ､ l　 ＼.　　　 / （　　　　|　 ／.　　　　　 　 　 　 ゛ .レ",,/ｲ＼＿}/ン'''ン' 　 ∨ ∧/ .ｒ'"
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　　　'マﾆ￢--二ニ､...　∠ 　　/￣/　　/＿__　j／　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾞﾞxｉﾆｰ''''"_,,　‐'″
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.　　ｌ　メ_|　　　 　 　 ／ 　　　 .,〟　　　　,-ｱ / │　　　　　　　,.　 ..!.｀..ﾞ|　　　 　 .＞´......　ﾞ,, --ﾐ;;、 '冫 .￢―./
　　 マｲ/　　.,ﾌl￣ﾞY　　 .,..-'ﾞ./　　　 ,／,/./ 　 .!　/!　　　　　. ｌヽ　|.　　|　　.＞ ´ ,　　　 .マ''ｰ- ..,,ﾞ''λゞｚ＿,ﾐ　Y
.　　　ﾞ‐'　　/心.!乂!　 ｒ'"　 ./ 　 . ／　 iﾂ゛　　 .! ./ !　　　　　:ll,.ｌ ヽ ｌ......￣......　｀' !iﾐ'-、　　＼_　 / 　.ト――'''￣
　 　 　 　 乂＼./､ lｒ'"　　 / 　 ／ 　 ./ 　　　　,! / .l　.、　　　 ! ｌ|,　ﾞ'レ　　　　　　 . ＼ ﾞ'‐ ／ /ﾞl―''＼　　/7ニニ
＿__ 　 ,／._ l＿ｌ. ,ﾌﾞ　　 ./ . ,／　　　 　　　　　 l ｌ　 l .i!|　　　　,! ﾞll,　 　　　　　　　　　　／＼.ｌ|ゞ!　　　 ＼ Y}／へ
　＼`' !./ ゛　廴ソ゛　　 彡／　　　　　　　 　 　 !,!　│lﾞ.!　　　　.l　 ゝ　 　　　　　　　　 { ￢ﾆﾆﾆ/＼__　 　 ＼＼三
ゞ／ニ-'l 　　 　　　 ／￣!ヽ　 　 　 　 　 　 　 l/　　!,!│　　　　l　　　　　　　　　　　　 ヽ＿/ '″.,／,!.ヽ　　　 ＼＼
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1880 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:54:43 ID:NF5vebCM

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　　　　　 　 ヽにﾉ '´ [,-1　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／|ヽ　　　　／,. '´ /‐'´ ,/
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　　　　　 ￣７¨ヽ、　　 　 ｆ,'´ｒ‐ｧ¨¨」`‐ ､ヽ　!!　}　　 　 　 　 　 .／　／ └ ｧ┘/
,. -―‐ ¨ ￣ヽ　 ｒ'　　　　{ ｒ'　'- '´　　　 .i }　||_j　　　　　　　 ／　／　　／､ﾏ´
　　　　　　　 ,ヘ/　　　　 ,>‐ ´￣｀丶、　 | |　 >'　 　 　 　 ／　／　　／　　N　,. 、　 ,.ﾍ
　　　　　 ,／ >'´　　　　　|_,.　-　､　　ヽ　| |　/　　　　　／　／　　 ,<}　　　　　｀´ ／　| ＼

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　　　　――「鉄」と「鉄」が、真っ正面からぶつかり合う。
　　　　銀色の破片が光を反射しながら、空高くへと飛び散る。

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1881 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:54:55 ID:NF5vebCM

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　　　　「機械」と「機械」の正面激突、純粋で無機質な暴力の交差。
　　　　その結果が、金属が捻子切れる際に発する断末魔めいた、けたたましい撃音である。

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1882 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:55:05 ID:NF5vebCM

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　　　　――その伝播に伴い、木々が音源を中心として放射状に大きく揺さぶられる。
　　　　音とは、即ち大気を伝わる衝撃波である。そこに大風を巻き起こす程のエネルギーが伴うとは、生半可ではない。

　　　　「超人機」と「竜」の激突により発生したそれは、明確な威力を持つまでの加速度を伴っていたのだ。

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1883 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:55:18 ID:NF5vebCM

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''ﾟ ;~'',;'',;''ﾟ 　;~,;''ﾟ ;~ﾟ'　'ﾟ ;~'',;''.＜ﾆﾆﾆﾆ＞　　　 |二三二二＼, 　;~,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;~　ｖ',;'',;''ﾟ ;~　''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;~ｖ'',;'',;''ﾟ ;~
''ﾟ ;~'',;'',;''ﾟ ;~,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;~'',;'',;'' 　（　：´Д）,_,/´i,_,ﾉ＼＼丶＼丶＼~''ﾟ ;~'',;'',;''ﾟ ;~,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;~'',;ｖ'',;'

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　　　　音は、シラカミ山地の麓に集落を構えていた人々の耳にもはっきりと届いていた。
　　　　住民たちが口々に、「あの山に住む”何か”が猛り狂っているのだ」と恐れ慄いた事は、余談である。

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1884 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:55:29 ID:NF5vebCM

　　　　　　　　　　　ずる……


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ずる……　　　　　　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜　おい、つかえてんだ、早く進めよおっさん！　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　 　 　 ,ィ´￣`ー`---`---r‐-`､　ヽ、 , イ´ ｀‐‐ハ
　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　 ｀ヽ、 ヽ イ〉 　　　／/. 〉
.　　　　　 　 {　　　　　　　 　 　 ,ィ　　　ヽ/　/ヽ＿／　/／
　　　　　　　 V　　　　　　　　 / 　 　 　 /'"´￣ |　　　|´　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　ヽ､＿＿,,,,,......../ 　 　 　 /　 　 　 |　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　無茶言うんじゃ、あいででてで！　 |
　　　　　　 　 　 ヽ　　　　　/ 　 　 　 /　　　　　|　　　.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　　　 　 　 ﾍ　　 　 i 　 　 　 /　 　 　 　 l 　 　 l
　　　r―- ､　　　　 ﾍ　 　 i　　　　.Λ　 　 　 　 |　　　|
　　　|　　　 `ヽ､___ 　 ﾏ　 .|　　 　 .l　',　　　　　 |　　　|
.　 　 〉.　　 　 　 　 ｀ヽ_ﾏ　| 　 　 . | .Λ　　　　　l　 　 l　　　　　　　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　　ﾊﾞｯﾁｨﾝｯ!!
　　 /　　　＿　　　　 　 .ヽ,| 　 　 . l　 Λ　　　　 l　 　 l　　　　　　　｜　うわぁあああどこ触ってんだぁ！　|
.　 〈　　〈´ 　　｀ヽ､　 　　　l　　　　l　　Λ　　　　l　 　 l　　　　　　　 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿/＼／＼/＼／|＿
　　 ＼＿〉 　　　　 ｀ヽ､ 　 |　 ,ｒ‐‐ヽ イ´}　　　　ヽ　　ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　 　　　　　　　／
　　　　　　　　　 　 　 　 `ｰlイ　　　 ﾍ__ノ　　　　 〈ノヽ　ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜　イッデェ！？　 ＞
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 `ー――‐'　　　　　　　　　＼〉〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 　　　　　　　　＼
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　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　そして、その音の発生源の、すぐ間近。
　　　　痛む身体を寄せ合い、引き摺り合い……と言うよりも、押し合いへし合い罵り合いながら、だが。
　　　　……とにかく、木々の影に身体を滑り込ませた人物が、二名。

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1885 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:55:40 ID:NF5vebCM

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　　　　　　 ⌒> : : : : : : : : : : : : ﾚ"￣ﾆミヽ　　　 `　`¨´ 　　 ﾉﾍ: :ﾊ ; }: : : : : : : :　　　　――なぁにしやがんだクソガキ！！
　　　　　　　　⌒＼ : : : : : : : : : ゝ　/ (沙 :i　　　　　　　U　 　 ／).://: : : : : : : :
.　　　　　　 　 　 ＜ : : : : : : : : : : ヽ.　 ´ 　|　　　　　　　　　　　　'´.ｲ:7: : : : : : : :
　　　　　　　　 　 　 ￣ア: : : : : : : : :.　　　 }　　　　　　　####　 rﾌ '/へ: :＿＿
　　　　　　　　　 　 　 厶イﾌ／∨} ハ　 　 {　　-　　　　 ####　ハ　　　 ＼　／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　　 ￣　__ ..　- ､　　　 /: : l:　　 ,　- ´　　　　　 誰が好きでテメェみたいなゴリゴリ女のケツ触るか！！
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　‘ヽ --　一'　　　/: : : :ｌ. ／　　　　 .
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　 一　 　 　 / : : : ／　　　 . . : :x
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼　　 　　　 . : : :／　　　. : . : ／:::
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,. -‐ヽ ＿_　 へ.: : :ヽ　　　. : .／.:::／
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　 : . : /＼:　∨　: ／/::::/:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 ＿　　　　 : . :/　　ヽ　}　: . :/::::/{:.:.:




: : : : : : : : : : : }: : : : : : :/　',: : : : : : :∨: : : : : : : : : : ､: :＼: : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : :/: : : : : :/　　 ',: : : : : : :∨: : : : : : : : : : : : : :＼: : :┛┗ : : : :
: : : : : : : : ／}ト､: : : /　　 　 ',: : : : : :.∧＼: : : : :斗: : :'，: : : ＼┓┏:‘，: :
: : : : : :.／　/: : :≧ｘ　　　　 　',: : : : : :.∧　 ｘ≦芋ﾐ: : : '，: : : : ＼: : : :‘，:
: : : :／{ 　./:.ｘ≦芋芹ミﾒ､ 　 　:, : : : : : -‐〃心. } }}: : : :'，: : : : : :.＞: ; :‘，　　　お、乙女の柔肌の、それも一等柔らかい場所だぞゴラァ！？
: ／ﾆﾆ{　/: :.{ {　　心. . ﾊ￣￣´ ∨: : : ﾑ　 代:i./＼: : : : ',: : : : : : : : : : :＞
´ﾆﾆﾆ,ﾑ/:.／ ヾ　∧i::i..ﾘ ｀　 　 　.∨: : : ﾑ　ゞ ’ ∧ : : : : ',ﾆ=‐-　. }⌒´: :
ﾆﾆﾆﾆﾆ}: ′　　　廴 タ　　　　　　　＼: : : {　 ､､､{ﾆ', : : : : }　　　 　 ﾆ=‐-
ﾆﾆﾆﾆﾆ}　　　､､､､､､　　　　　　 　 　 ｛＼:.{ 　 　∧/∧ : : |
ﾆﾆﾆﾆﾆ}　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ′ ＼. 　 ;'’. . .∧ : |　　　　　　　　　　　　不作法に鷲掴みにした上で、言う事がそれかッ！？
ﾆﾆﾆﾆ,7　　　　　　　　　 　, ‐‐‐----‐‐ｧ　 　 /. . . . . . .}:/.
‐=ﾆﾆ,7､　　　　　 　　　／　　　　 ',: :.∨　 　ｨ. . . . . . . . . . . .
　　　ﾆ=‐-　..　　 　 　 ′　　　　　 ',∨　／. . . . . . . . . . . . . . .　 　 　'‘´
　　　　　　　 　　｀￣}　ゝ､　　　　　∨／. . . . . . . . . . . . . . . . . '‘´

　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　無論、天羽奏とスパイク・スピーゲルの両名である。
　　　　「超人機」と「竜」の最初の激突を目前で見せ付けられた二人は、しかし緊張感のないやり取りを重ねていた。

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1886 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:55:53 ID:NF5vebCM

　　　. :　 .ト ､.: :ト ＞ヽ: : : .　　　　　　 . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : ::{　 ｝:/＿＿ .∨ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : :乂.／'／￣ ｀　.厶: :､ : : : :＞―　、: : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　乙女が、俺の腹に穴が空く様な蹴り繰り出して堪るか！！
: : : : : : :　{⌒//＿_ 　 　 　 ＼ヽ: : /／⌒ヽヽ: : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : ､ｨ_/ﾊ　　｀ヽ　　　　 ﾉ／ 乂-ミ　　}: : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : ゞｧ`　 ﾟ_. ｨ!!　　 u　　　　　ヾ: :ﾉ./.八: : : : : : : : : : : : : : : :
‐ｧ／ﾌ／ア:/　　ー　　　　　　　　　　〈::.／./: : : : : : : : : : : : : : : : : :
／　　 ／- ′ 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈　.ﾊ: ﾄ､: : :ヽ : : : : : : : : : : :　　　　 大体、今のテメェにどんだけ「乙女」残ってんだァッ！？
　　　　 　 ,′　　　　　　　　　　　　　　 r彡 ＼ ￣ヽ}ｰ┐八: : : : :_:
　　 　 　 /　　　　　　　　　 　 　 　 　 : |:　　 l 　 　 　 ／　 ＞　´　
. 　 　 　 ｰ-　_‐　　　　　　 　 　 　 　 : : :　　 l:　　　 　 ,.　´
.　　　　　　 　 ヽ 　,. -_､ヽ　　　　　　. :/:　　　l:　　　／
　　　　　　 　　 Ｌ_'-一 ′　　 　 　 . : ': :　 　 :l: . ／　　　　　　　　　　　　 デカイ蛇のバケモン、エビの殻剥くみてぇに出しやがって！！
　 　 　 　 　 　 　 ゝ　　　　　　　　／: : :　　　 :l:
　　　　　　　　　　　 l　　　　　　／,. - :、 　 　 /



: : : : : : : ／: : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ:ハ
: : : : : : /: : :／: : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : :ｉ＼:i
: : : :ィi〔: : :/ : : : : : : : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : ┛┗＼
‐≦ : : : : / : : : : : : : : : /: : : : : :./: :}: : : : : : : : : : : ┓┏　　　　　　　　　　はぁああああああああああああッ！？！！？
＼／: : :./: : : :_:_:_:_: : :./: : : : :／: :./: : : : :／ : : : : : ｉ|
／: : : :./: : : :／: : : ≧s､: : ／: :.／}: : : ,ｨ劣＼: : : : :.|＼
‐=≦: , : : ／: : : ,ィ禿笊云ミｔ､‐　/: :.,ｲ:, / /:.:＼ : : |: : ｀`～､、
: : : : /: ／ィi〔^ ㌃　 　 ｆｒ ,　　　/: ／ ｰ　ﾊ: : }:.＼:.|: : : : : : : :
: : : /／:＼　　　 ＼ 　　ｰ'　　 ,:／　　　　 }: : ｱ: : : ＼: : : : : : : :　　　　　　その原因作った張本人がなに言ってんだコラァ！！
: : ／: : : : :≧　　　　 　 　 　 ／　　 {　　　ﾊノ: : : : : : {: : :｀`～､
: : : : : : : : : 乂＿＿　　 　 　 　 　 　 〉　　从: : : : :.|: : 〕iト: : : : :
: : : : :{: : : : : : : : : : : ＼　　, －　、　　　ィ八: : : :}: :.|〕iト: : : ≧=‐
: : : :八: ＼: : : : : : : : :. ヽ　{　　　 )　／⌒ヽ　. : :ハ |　　　＼: : ﾊ
: : :/: ∧: : :〕iト￣￣￣￣　 ー '　 　 　 　 　 ):/ 　 | 　　　　}: :./　　　　　　大体エビってなんだエビって！？　色か、色なのか！！？！
: :/: :/:∧: :{: : :ﾊ　　 ≧s｡._＿／ 　 　 　 　 ／　　　　　　　 i／
:/: :/: :.:∧:.|: : : :i　　　　　〈　　/　　　　　　　 ＼

　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　そもそも、先程まで敵対関係と言っても良い間柄に居た二人である。
　　　　一方的な人格否定から始まり、結果として殺し殺されに発展したのだ。
　　　　会話の始まりに有効的な雰囲気を期待する事は、まずもって不可能な組み合わせであろう……。

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1887 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:56:05 ID:NF5vebCM

　　{｀`～､、 ＿＿＿＿__＼: : : : : :: ＼
　　 ＼: : : : : : : : : : : : : : : : ＼: : : : : :ハ
　　ィi〔: : : :_:_: : : : : : : : : : : : : ＼: : : : : : ,
./: : : :ィi〔: : : : : : : : : : : : : : : : : ハ: : : : :∧
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:／: : : : : : : : :.／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :_:_:_:_:_:_: ＼
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: : : : : : : ／: : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ:ハ
: : : : : : /: : :／: : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : :ｉ＼:i
: : : :ィi〔: : :/ : : : : : : : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : :.:|　 ＼
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＼／: : :./: : : :_:_:_:_: : :./: : : : :／: :./: : : : :／ : : : : : ｉ|
／: : : :./: : : :／: : : ≧s､: : ／: :.／}: : : ,ｨ劣＼: : : : :.|＼
‐=≦: , : : ／: : : ,ィ禿笊云ミｔ､‐　/: :.,ｲ:( / /:.:＼ : : |: : ｀`～､、
: : : : /: ／ィi〔^ ㌃　 　 )刋　　　/: ／ vﾘ　ﾊ: : }:.＼:.|: : : : : : : :
: : : /／:＼　　　 ＼　乂少　　 ,:／　　　　 }: : ｱ: : : ＼: : : : : : : :　　　（　アタシの事を殺そうとしたり、止めようとしたり……　）
: : ／: : : : :≧　　　　 　 　 　 ／　　 {　　　ﾊノ: : : : : : {: : :｀`～､
: : : : : : : : : 乂＿＿　Ｕ 　 　 　 　 　 〉　　从: : : : :.|: : 〕iト: : : : :
: : : : :{: : : : : : : : : : : ＼　　　　 　 　 　 ィ八: : : :}: :.|〕iト: : : ≧=‐
: : : :八: ＼: : : : : : : : :. ヽ　　　　　　／⌒ヽ　. : :ハ |　　　＼: : ﾊ
: : :/: ∧: : :〕iト￣￣￣￣　 ~~~~’ 　 　 　 　 :):/ 　 | 　　　　}: :./　　　（　アタシの父さん母さん以外の大人って、皆こうなのか？　）
: :/: :/:∧: :{: : :ﾊ　　 ≧s｡._＿／ 　 　 　 　 ／　　　　　　　 i／
:/: :/: :.:∧:.|: : : :i　　　　　〈　　/　　　　　　　 ＼
: : /: : : : :Ⅵ＼:.:|　 　 　 　 ヽ {　　　　　　　 ≧=‐ 冖宀￢≧s。
: /: : : : : : }　　　　　　　　＿　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼:.:＼

　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　特に、奏にとっては聴きたくもない暴言の数々を浴びせて来た相手であり、暴走の一因を作った相手でもある。
　　　　なんとなく、流れ的に一緒に身を隠しては居るモノの、心の奥には未だ蟠るモノがある。

　　　　――どうやら、この男が自分を止めようとしてくれていたのだ、という事を理解していたとしても。

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1888 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:56:21 ID:NF5vebCM

　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/_人从＿人_／
　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　　＜　アタシがエビならアンタは鳥の巣だ！　 ＞
　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (
　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^YY^^V＾Ｙ^￣　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　テメ、人の気にしてる事を！＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^

　　　　　　　　　　　　　 ＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　　　　　　　　　　　 ≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜
　　　　　　　　　　　　　 ≧　喧嘩吹っ掛けて来たのはそっちだろおっさん！≦
　　　　　　　　　　　　　 ≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　≦
　　　　　　　　　　　　 ／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼

　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　……それはそれとして、喧嘩は喧嘩である。お互いに、相手に対して鬱憤があるのだから尚更だ。

　　　　しかし、方や、砲弾の様な蹴りを喰らって内臓破裂寸前の男。
　　　　方や、「自分自身」の中身を４割弱、無理矢理引き千切られて持って行かれた少女。
　　　　明らかに重傷の二人がこれほどまでに暢気な立場で居られる理由とは、なんだろうか？

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1889 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:56:32 ID:NF5vebCM

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　　　　　　　　　　　r|/|:::目ト:.、:::::＼:o':,:V: : : :{￣｀ ＜ !: : : :|ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /７　　 /7
　　　　　　　　　　　{:|/i:::目|n!::!8ヾ:Y(r::}::V,: : :.'　　　　Ｙ: ＞'i　 ,　　 　 　 　　 　 　　　　　　 / /　　 ///7
　　　　　　　　　 　 ﾊ!/|::目|u!r'８:j{ !/ノ:': v_: : :',.斗r七´: : ＞|　 ,　　　　　　　　　　　　　　 /　〈　　////　 /７
　　　　　　　　　　/　{/:Vーｒ－ｒ－'} !o o': V!}: : : : : : ＞'"　　jr-.}　　　　　　　　　　　　　 / ∧ .〉　l///　 / /
　　　　　　　　　　|　 !V竺竺竺ｒ‐く/⌒＼': : :＞ '"´　 　 ,斗ｒ'|　 '　　　　　　　　 　 　 　 / / / / 　 ／＼/ /　　　 /7
　　　　　　　　　　|　 iー―――――　ミﾒ{ア .} _ 斗 ＞ '７:}　|　,　　　　　　　　　　　　　L/ / /　 　 ＞　__コ／＼//
　　　　　　　 　 　 V八＿＿＿＿＿__　　｀´ 　}＞'"　 _ ノV!　'　'　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ＜_／l /　 ＞ 　__コ
　　　　　　　　　　　ｖ ﾊﾏ人￣￣￣￣＞,　　 /｀ー '"　　 ｊ{　,　'　　　　　　　　　　　　　　 L/　　 　 　 l/＜_／| //７
　　　　　　　　　　　 V.ﾊ ﾏｒ:｀ 竺竺彡　 :',　　!　　　　　　,:'　,ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l/ L/７ ＿
　　　　　　　　　　　　V.ﾊ ﾏｒ:{::::!::::::::}　　　:,　 |　　　　　 /　 '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　L／／
　　　　　　　　　　　　 ヽ.ﾊ　ﾏ（_!彡/　 ＿　v斗 ‐　Y　　'　 ' 　 ／- ﾐ￣ ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|／
　　　　　　　　　　　　　　｀V　ヾv::::{　〈　、_ 斗-ァ　' 　 ﾊrく竺'　　　 斗ｒ竺--v、
　　　　　　　　　　　　　　　_ﾏ　 ヾ::ム ヽ　ー こ´　_'　 ,: :/: : ' ― ﾐ　:': : : : ＞'"　　　　　　　　　――ぅおおおおおおおおッ！！
　　　　　　　　　　　　　 ／- ≧≦:＼ﾊ　ゝ-‐ T"´ 　 /: :': : ,　　　 /: : :／
　　　　　　　　　　　　 ,　　　ノ::!:}〕s。:＼v、 斗f ""Yｿ: :': : /--- ‐‐‐V７
　　　　　　　　　　　_./　　,ｲ:{{:::!:}}::}:}:｀Y　≧ー=≦/: : :': : :'　　　　　/: '
　　　　 　 ＿＿ /:フ　　//_j{{:::|:}}::ﾒ{ヽ::',　　　　 ,.:': : /: : : '　　　　　{{: {　　　　　　　　　　　　　　メタル、ボンバーッ！！
　　＞ ´ __ 　 /ﾊ:/二ミ ':{__!:ﾑ::ヾヽ::::::::::;　　　／: :,ヘ　--{　　　　 　 ,: ,
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'　　　 ,: :,'　　/:::::|　　　{::{__!斗v::}｀ー '"´　 {: : : /: : : : : : :.!　　≧ｓ。!　　斗..、

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　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　――明白である。この「超人機」の存在が、そうさせているのだ。

　　　　背後で巻き起こる小さな騒動には目もくれず、メタルダーは気勢良く雄たけびを上げるッ！
　　　　叫ばれた単語は、即ち彼が放つ「必殺技」の名前である……ッ！！

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1890 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:56:43 ID:NF5vebCM

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1891 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:56:55 ID:NF5vebCM

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　　　　　　　l　　　　!　　　!　 ,-''''"ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!ﾐ￢　,,、　　 ｀ﾞ'''ｰ､,、　　　　　　 .｀''ｰ 二二||二二 　 　 　 　 　 　 || 　 ||　　　 　 || 　 ||　　　 　 || 　 ||
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　　　　　　.|　　　　　 .ｌ 　 　 　 　 彡彡　　　　　 二三 ／　　　　　｀''-、　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ﾞ'ｰ ..,,
　　　　　　,!　　　　　　ｌ　　　　　._ .彡、._,,,..-ｰ''"ﾞﾞ￣￣￣￣￣￣ﾆﾆﾆ==-､　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ﾞ'ｰ ..、
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　　　　　 .l　 　 　 　 　 l　　　.,,..ﾉ　　, ‐''"´　　　　　　　　　 三ﾞﾆ￢- ..,、　　　.｀ﾞ''て　,,
　　　　　│　 　 　 　 　 !　　　＼　. l,彡　 　彡 　 　 　 　 　 　 三三 　 .｀''ｰ..、　 '(,ﾞﾞﾞﾞ´.、
　　　　　 !　　　　　　　　ｌ　　　　＼i、 彡 彡　　　　　　　　　　 二三三三　　 .｀､　 ｀'-,　ﾞ''-、
　　　　　.!　　　　　　　　│　　　　　"''' 彡　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 三 　　 |　　/'┘　　｀'-､
　　　　　l　　　 　 　 　 　 ! 　 　 　 　 　 彡　　彡 　 　 　 　 　 　 　 二三三三 .ﾉ　　,｣　　　　　 .｀'-､
　　　　 .lﾞ　　　　　　　　　 !　　　　　　　　彡彡　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 三三 ,!　 　 　 　 　 　 ｀'-､
　　　　│　　　　　　　　　│　　　　 .／l　 .彡彡_＿ 　　　　　　　＿___,,、　　　　三三　 　　 　 　 　 　 　 ｀'-､.
　　　　 l　　　　　　　　　　│　　　／ .―‐''"゛　　―ｰ'''''''''"ﾞﾞ￣￣　iﾆ,ﾞ＿__、　　 三三三 　　　　　　　　　　　｀'-､
　　　　.l　　　　　　　　　　　ｌ ＿ヾ　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ￣￣ﾞ"''''―--ﾆﾆ==─
　　　　l　　　　 　 　 　 　 　 ! ｀'､　　　,,-￢''''冖''―-- ..,,,,_　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣''''―;=＿
　　　　!　　　　　　　　　　　　!　 .ヽ　　 ＼ 　 .彡彡彡 　 　 .｀ﾞ"''―　,,,_　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ''ｰ　,,、
　　　 .!　　　　　　　　　　　　 !　 ,,,..ゝ　　　｀''‐ 彡彡　　　　　　　　　　　｀ﾞ"'ｰ-..,,,、　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼

　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　力強く地を蹴ったメタルダーは、その勢いに合わせて身体を高速回転させるッ！！
　　　　手は前方に揃え、突き出した姿勢！　さながらそれは、音速で突き進むライフル弾の如くッ！！

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1892 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:57:07 ID:NF5vebCM

　　　／　　｀ヽ　.i .i. ',　 /. lヽ ',　　　　｀ー-ﾆﾆ-イ丶､　　l　　 ,／　,..-"　　_ ／　　　　 _,, -'"゛
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../　/ 　 /　/ ././　ｌ　,! .l .!　 !　l　.l,　.ｌ　!　 .ｌ　 ヽ　.ヽ ヽ　＼ ヽ.　　.＼　　＼. ｀'-、 ﾞ'-､　　　 ﾞ''-､　　 ｀''-､,
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1893 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:57:19 ID:NF5vebCM

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ﾆ=-　　　　　　ﾆﾆ=-- __　　　 ＼　　 　/／/　　 丶　　＼丶 ＼(＼)　　 , ;: ..`: .　 　　　 二二ﾆﾆ==-----
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ ／　 ／　／　　 //＼,ﾉ　　 /|i|i 　 　 　 i||i ／)　　　　　　 ( ￣￣ ＼　　 |　　 /

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　　　　――着弾ッ！！　同時に、連打の音が激しく響き渡るッ！！
　　　　高速回転を加えた身体ごとブチ当たったメタルダーの両拳が、「竜」の顔面の一つを滅多打ちにしたのだ！

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1894 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:57:31 ID:NF5vebCM

　　　　＼__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__／
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　　　　　　　　 く∠-┘ '‐ '　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,／／　 ／｀丶､　 !
　 　 　 　 　 ＿_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／／_, ‐'´　　　 _,.＞!
　　　　　　l´＼/　　　　　　　　 ,｣ -―≦､ _　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／/￣|　　　　_,.-'´
　　　　　　 ￣　　　　　　　　∠-― ¨ ‐- ､ ヽ　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／ /　　 !　　 ／
￣ ‐- ､ _　　　　　　　　 　 / _,. ---- ､ _　ヽV Y　 　 　 　 　 　 　 ／　, 1　　 |_,ィ´
　　　　　 ￣７¨ヽ、　　 　 ｆ,'´ｒ‐ｧ¨¨」`‐ ､ヽ　!!　}　　 　 　 　 　 .／　／ └ ｧ┘/
,. -―‐ ¨ ￣ヽ　 ｒ'　　　　{ ｒ'　'- '´　　　 .i }　||_j　　　　　　　 ／　／　　／､ﾏ´

　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　そして――貫徹ッ！！　着弾後、刹那の間も押し留まる事がなかった凄まじい威力である。
　　　　首の一つを完全に粉砕され、もぎ取られた「竜」が悲鳴の様な叫び声をあげる……ッ！！

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1895 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:57:43 ID:NF5vebCM

　　　　　　　　　　　/ヽ／!_ _,.ｨｰ'/＿,.ｨ
　　　　 　 　 　 　 /　　 ∠ ）　 //　 ./　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　 /　　 Y´ 〈_／/　∠.,＿_,.ｨ　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　 ,.r――‐''ｱ /　　 　 　 　 /｀ー- ...,,,,__　　　　, 、
　　　　　!ゝ-'｀ｰ'´　　　 ゝ-'!/ /／　　 ,..,,　 >　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ/　　〈｀¨ﾚ' /　　ノ!.　　 　 ヽ＿,.ｨｰｧ /　　　 /　〉
　　　　 / 　　＿　　 ＿　　 /　 .ﾚ''"´/!_ノ / r―――ｧ　　　　　　　　　　　　　 　 ﾉ　Y´　＜　　｀ヽ　　　　 /　 ／ 　 　 ./　/
.　　　　　｀ヽ! /　 /　 /　./ ＿＿_ .〈 　 ./　 ｀j^!フ／　 　 　 ＿_　　　　　　 　 　 |　/　　　 ｀Y＿ 　＼　　 |　 l　　　　 ./　/
　　　　 　 　 <　 /　 /　./　｀ｰ=､〈　.} ／　　 / /　　　,.ｨーｧ.｀ヽ ｀'''・ー'''"´｀ｰｧ .ﾚ'　　　　　　　r'｀ヽ　＼ .| 　|.／ >　/　/
　　　　　 　 / . /　 /　./　 　 〈 r'´ //　　 　 ﾚ' ,ｨー'´,ｨフ/ ＜＿,.ｨ＝ﾆﾌ　／ ,/..,,＿＿,.ｨ!__　ノ　　ｰﾞ　 ゝ',／ ／ ／　/
　　　　　,,.ノ　./　 /　./　　　　ﾚ'　 ﾚ'　　　　　 〈 ,.ｨｱ　ﾚ'/　　　　　 く　｀／　∠＿＿,.ｨｧ　 /./　/⌒'''¨´ ／ ／　 /　 ./
. 　 　 /　 　./　　| . /　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　j　 ./　　　　　 　 }　 ',　　　　〈｀ゝ''　／ /　/　　　 ／ ／　　ノ__／
. 　 　 ｀ヽ　/　　/／ 　 　　　　　　　　　　　　　　 〈　 .ﾚ）　　　　　　ﾚ'i　|　　　　 }　i"´　 /／　　　∠ -´　　　/^ヽ
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　　　　　 {乂_＞ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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　 　 　 /／: : : : : : : : : : : : : : : : : { : : : _ノ ｀ｰ:､: :/　　): : イ/: : : : : : : : : : : : : : :
　　　　 /.: : : : : : : : : : : : : : : : :i : :＼: :{ 　　 　ﾉ厶-=≦￣/{: : : : :/_ : : : : : : : : :
.　　　 厶-‐ｧ : : : : : : : : : : : : : 乂: （ ＼_　:{∠:=〃¨芯ヽ 　 ヽ: : : {-:ヽ: : : : : : : :　　　　……一方的、じゃねぇか。
　　　　　　 ⌒> : : : : : : : : : : : : ﾚ"￣ﾆミヽ　　　 `　`¨´ 　　 ﾉﾍ: :ﾊ ; }: : : : : : : :
　　　　　　　　⌒＼ : : : : : : : : : ゝ　/ (沙 :i　　　　　　　　　 　 ／).://: : : : : : : :
.　　　　　　 　 　 ＜ : : : : : : : : : : ヽ.　 ´ 　|　　　　　　　　　　　　'´.ｲ:7: : : : : : : :
　　　　　　　　 　 　 ￣ア: : : : : : : : :.　　　 }　　　　　　　し　　　 rﾌ '/へ: :＿＿
　　　　　　　　　 　 　 厶イﾌ／∨} ハ　 　 {　　-　　　　　　　　 ハ　　　 ＼　／　　　　攻撃をする暇すら与えてねぇ……ッ！
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　　 ￣　__ ..　- ､　　　 /: : l:　　 ,　- ´
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　‘ヽ --　一'　　　/: : : :ｌ. ／　　　　 .
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　 一　 　 　 / : : : ／　　　 . . : :x
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼　　 　　　 . : : :／　　　. : . : ／:::
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,. -‐ヽ ＿_　 へ.: : :ヽ　　　. : .／.:::／　　　（　だからこその優位か？　いや、それも計算して攻めてるのか……！　）
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　 : . : /＼:　∨　: ／/::::/:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 ＿　　　　 : . :/　　ヽ　}　: . :/::::/{:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　￣　 ／＼　　　:i/: .　　　 ﾉ　: :/::::/八:.:.

1896 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:57:55 ID:NF5vebCM

: : : : : : : : : : : : : : |: : : : : : : : : : : : : : : : : / : } : : : : : }: : : : : : : : : : : : : : : : : :／⌒
: : : : : : : : : : : ::／:1: : : : : : : : : _:/:＿彡ﾍ: :八 : : : : ﾉ: : : : : : : : : : : : : : : : :（_ﾉ}
Z: : : : : : : : : :/　⌒', : : : : : 厂 -{/-ミ､_八 {:　'; : :/´ ＼: : : : : : : : : : : : : : : : :/
　＼: : : : : : : {　 ／ }: : : : : {　　 ,. -‐r＜=＼__ ＼{j u _/: /: : : : : : : : : : : : :∠
-=ﾆ _ : : : : : :.　:{: : {∨､: {＼　　` ｰ┴-’ｺ⌒¨´　∠三彡: : : : : : : : : : : : : ／　　　……どうやら俺ぁ、運が良かったらしい。
　　　 ＞／ハヽ ヽ: :):` ＼_　　　　 　 　 ￣　　 　 |{_ﾉ}/ : : : : : : : : : : :__／
￣￣￣＼::::::ﾚ:ﾍ　¨´: : :　　　　　　　　 　 　 　 　 |￣/: : : : : : : : : :､_:＞
　 　 　 　 ＼::::::::｀ 一i : :　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　八{ヽ/⌒　ー- ＼
　　　　　　　 ＼　::::::::| : :　 　, -　　　　　　　　　　{ /　　　　　　　　　　　　　　　　 喧嘩を売るとか、戦うとか、そんな次元の話じゃねぇなありゃ。
.　　　　　　　　 冫:::::::| : :　　　 .ヘ　 　 　 　 _　＿.ゝ
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: : .　　　　　　/　 　::::::.､: : .　 　　 ￣￣　¨¨´ノ
＼: : .　　 　 /　　 　 :::::::＼: .　　　　 ￣￣　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 体格差十倍以上の相手に、アレだぞ……？
:､:.＼: .　　 /　 　 　 　 ::::::::＼ .　　　　　　 /.、
:.:＼: ＼:　/　　　　　　＞ "⌒＼　　　　　/:.:.:.＼
:.:.:.:.:＼ ヽ{　　　 ＞. :´: : :　　: : :.＼＿ ／＼:.:.:.:.:＼




ﾆ=-‐: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼: : : : :／
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: :-‐: : ´: : :／: : : : : : : :／ 　∨: : : : : :＼ : : : : :.＼: : : : : : : : : : :ヽ: ＼: : :',: : :
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: : :.-‐／: : : : : :.／,ｨｆ芋ミゞ､　 ヽ: : : : : : :＼＼: ,ﾑ≠テミ: : : : : : : : ∨: : :.＼　　　　　　……強い。あんなに、強かったんだ……。
: : : :.:′: : : ＜´:.　{(　　心.....ﾊト､ ＼: : : :__::-‐〃心...ﾊ 　)}＼: : : : : : ∨: : : : :
: : :./: : ／: :/＾ヽ:..　 　 {i...{::}...i}⌒ｰ　＼｀: : : : ＼i..{:::}...i}　　 /:＼: : : : :.}＾ー…
: :./:.／: : :.∧　 ∧　 　 V==タ　　 　 　 ＼: : : : : ＼..少　　∧//:＼: : :.|: i: : : :
: :{:/: : : : : {: :＼　 ;　　　　　　　　　　　　　｀　: : : : : ＼ 　./-'./: : }: ',:.:.:|: }: : : :
/: : : : : : :.:|＼: : ー:.　　　　　　　　　　{::.　　　　｀⌒＾ー‐/-‐.': : : }: : ',: {: |: : : :　　　　　 リュウセイ……、メタルダーは……あんなに……。
: : : : : : ＼{:　 ＼: :∧　　　　　　　　　　　　　　 　 Ｕ 　 /: : : : : : :}:／:',:}:.:|: : : :
: : :',: : : : : ＼ 　　ー八　　　　　　　,==== ､ 　 　 　 　,ｲ: : : : : :.／: : : :}:.:.|: : : :
: : : ',: : : : : : :.ヽ　　 　 ＼　　 　 　 {: : : : :V　 　 　 ／ : : : : : : ′: : : : : : |: : : :
: : : :.ヽ: : : : : : : ',　　　　　＞､　　 　 　 　 　 　 ＜: : : : : : : : /: : : : : : : : ,': : : :
: : : : : :＼: : : : : :.',　　　 　 　 }　≧　　　　 ≦　 {: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : :

　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　メタルダーが見せる余りにも猛烈な戦いぶりに、二人は瞠目する。
　　　　特に、あの優しげな物腰の中に、ここまで苛烈な一面が潜んでいたという事実は
　　　　少なからずスパイクと奏に、衝撃を与えていた。

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1897 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:58:07 ID:NF5vebCM

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　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　最早、語るまでもない事だが……メタルダーと「竜」の最初の激突に於いても、勝ったのは前者であった。
　　　　超重力エネルギーの再装填と、その制御装置の修復に成功したメタルダーは、今や全力。
　　　　「超人機」という名のその意味に違わない、凄まじいまでの戦いぶりを発揮していた。

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1898 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:58:17 ID:NF5vebCM

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:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､: ヽ: : : : :`＼ 　 　 {.:￣.:.:.:.:.:.:.:.:.
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　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　その戦いぶりを見つめる、スパイクの胸中に浮かんだのは「畏怖」。
　　　　……いや、正確な名前で表すのならば、紛れもない「恐怖感」であった。

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1899 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:58:27 ID:NF5vebCM

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, 　　‐r‐‐r‐‐ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　,仁ｌ　lﾐ| :: | 　　|＼　　　　　　　　　　　　　　__/￣/＿_ ./77　＿/￣/_　　　　　　./￣/ ./''７
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　F| |　　| :: | 　　ｌ :: ｌ　　　　　　　　　　　　 /__　　__　　/.￣ /__　　＿/　　,ノ￣7　￣　 /　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ﾄl.」 L三|::::::::￣:::::::::ﾄ､　　　　　　　　　　　 _./　 //　 /　　./__　　＿_//￣　 ／　＿__ノ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|_　￣￣ ｀Y´ ￣￣ ｣　|　　　　　　　　　　　 |___ノ.|___,/.　 　 　/＿/　　　7＿/　 /＿___,.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　|ｌ Ｌ.ニ>､　/二二7 l.　|
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　|l |ﾐl. /　|_|　　　/ /　/
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　ゝ_>､| ゝ三７　〈_/‐┘
　　　　　　　　　　　　　　＿＿ 　　＼.ﾄ､ __,､__ /__/ 　　__　　　　　　　　　　　　――無駄だッ！　奏達を狙わせは、しないッ！！
　　　　　　 　　　　_∠ 三三7| ＿__ イ|`ー‐ｲ_／ ＼ /　ｌ‐､r ‐‐‐‐ ､
　　　　　　　　　／ 　〉　r_｣｣┘二}､ 　|‐‐‐‐|::::::::::::::/　∧. ﾍ 　　　　＼
　　　　　　　　< 　　/ 　　/ ∧＿＿>､|＿＿|／|￣| ｌ￣＼＼|　　　　　　 ',
　　　　　 　__/ ＼_{　　／| | |:‐‐‐‐‐‐|　　|く_／へ.| ― ､/‐v‐‐､ ‐ ､　　　ｌ
　 　　　／へ >､　￣7: /|_| |三Ｌ.＿.」　　|:::::く_く._へ　　　/　　/` ‐ ､` ‐┤
　　　／ 　/∧__二／:.// 　　||　　　||　　ﾄ､:::::::::::::::::::＼ /　　/　/二 ` ‐ ､＼
　 ／　　.//　　　/: : :| | 　　/ ￣￣7‐:‐┘ ＼＼ ::::::::: .へ._/ ` ‐ ､＼二 　`┤
　ﾍ 　　//　　　/.: : :.:ﾄ､､ 　|l 　　／／===ﾄ､:::`::::￣￣へ//∧ 　　` ‐ ､ 　_/

　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　目の前で繰り広げられているのは、紛れもなく「人外の戦闘」である。
　　　　単なる人では舞台にすら上がれない、超人程度では一蹴されて、そこで終わりだ。
　　　　あのレベルに到達できるのは、「英雄」と呼ばれる人種か、それに比類する「化物」のみ。

　　　　――少なくとも、どう足掻こうが、スパイク・スピーゲルというケチな「戦闘者」程度では、及びも付かない。

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1900 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:58:39 ID:NF5vebCM

　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼ー': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼＿
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :く
　　　　　 　 　 　 　 　 ∠: ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 ＜＿ : : : : : : : : : : : : : ﾉ : : ､ : : : : : : : : : : : `ｰｧ
　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : :{: /（: ／ ゝ : ﾉ ､: : : : : : : : : : ＜
　　　　　　　　　　　　　　　⌒): : : : : : /イ⌒ﾐ 　　／ｰ-ヘｨ : : : : : : /⌒　　（　戦闘力もそうだが、幾らなんでも反応と対応力が高過ぎる　）
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 厶～ｧ : : ゝ.ィ芯 ヽ　　 苡ヽ　}: :/}: : ＜
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 / ヘ:{ﾍ　￣　.:|　 　 ￣　 j:/ 八<⌒
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 八`',　　 .::j _　　　Ｕ　{ｲ/⌒
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ.　　　` 　 ＿, 　.八{　　　　　　　　（　感情……「感情」？　実際に、人間レベルのそれが”再現”できてる程だ　）
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､ 　７7ﾆ ＜ 　/1
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 __ヽ//　乂　`く: :|￣＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／ : ://＼＿_＼　＼　　 ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _ .. 　 -―／　. ::/∧:_ : : : : : ヽ 　} 　 　 :.　　　　 （　自動人形以上の身体と頭脳に、人間以上の適応力……　）
　　　　　　　 　 ,. -=ﾆ二.:.:.:.:-―／　　　 :`{　:{ ＼　 へ } 　∨ 　　 :.、
　　 　 　 　 　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／＿＿　　: :| 八:　У 、 ＼.　∨⌒ヽ}:.＼
.　　　　 　 　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　 {　ハ:.ゝ―`一　 :八:.:.:.:}|:＼:＼＿
　　　　　　　/{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ :|: 　＼:∧{　＿＿ 　 ｌ:.:.:.:.:.:/:.:.:.:＼:.:.:.:.＼
　　　　　　 .':.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{　 ＞-ミヽ {∨ 　 __ 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣＼.:.＼＿
　　　　　　 {:.:.ｌ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　 ＼＼八乂_ｽ　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.

　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　反則だ。違法だ。ペテンだ。この世界に存在していい存在じゃあない……。
　　　　既に殆どが灰になった煙草を、震える指で掴んで咥え直したのは、一種の逃避だろうか。
　　　　スパイクは本気で、あの「超人機」を倒す事の出来る存在を考え……そして、遂に思い浮かべる事が出来なかった。

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1901 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:58:50 ID:NF5vebCM

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　　　 /: : : }: ',: : :ﾑ´ ＼: : : : : : ∨: : : : : : : : : : ＼: : : : : : : : :｀＾　　　　　　　　｜　――なぁ、嬢ちゃん　　|
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　　 /: : :/ .|: : : ',: : :ﾑ　Ⅵ{ ＼: : :.∨: : : : : : ＼: : : :.V: : : : : : : :
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　　　　　　 }:.:./　 ノ　 ＼　　 し |/: : : : : : : : : : : : : : : : :', : : : : : :　　　　　　　　……なんだよ？　急に。
　　　　 　 /／　　＼　　　　　　/: : : : : : : : : : /: : : : : : : :', : : : : :
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　　　　……だから、なのだろうか。
　　　　気が付いた時には、隣で同じくメタルダーの戦いを見守る少女に、スパイクは語りかけていた。

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1902 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:59:02 ID:NF5vebCM

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　　　　　 ｰ='　　　　　　　　　　　　...:::::...　　　　 　 　 　 　 　 ミヽ
　　　　ﾄ-ｰｲ　　　　　　　.............:::::::::::::::::::::::::::::::::....　　　　　　　　ﾄヽ
　　zﾆ´_　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ,::::::::::::::::::::::
　　 　 N　　　　　　....::::::::::::::::::::_彡ｲﾍ:::::{ｲ:::::::::::::::::::::::::::::::::...
　 　 　 _ｿ　　　....::::::::::::::::l､::::::（　ヽ-ｰ'ヽゝ｀¨¨ﾍｲY:::::::::::::::::::::.　　　　　　　　――少し、今更な上に下らない話を聞いてくれ。
　　 　 ﾉ⌒Y::::::::::::::::::ﾄﾊﾐゝヾミ＞　`ｰｔ=ｆﾒ　 　 .ｲ:::::::::::::::::::::::::....
　　　　　　 {:::::::::::::::::::::::::::Y rｧ　　　　　￣　　　 ﾑ:::::::::::ｲミヽ:::::::::::::
　　　　　　⌒ﾌ:::::::::::::::::::::::| /　　　　　　　　　　　 ﾒz::::ノY) /::::::::::::::
　　　　　　　ﾑへミ彡::::::::::く　__　　　　　　＜￣｀¨'''ー-､._/　:::::::::::::
　　　　　　　　　　ﾂ-ｰz;;;∧　　　　　　　　　 ＼　　　　　｀¨'''ｰ-､__　　　　　 ……俺がお前に言った諸々、あれは紛れもない俺の本音だ。
　　　　　　　　　　　　　　''''ﾍ　　-‐‐‐- 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',　　￣　　　　　　　..ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ',　　　　　　　ﾄ､::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ　　......:::::::::|　｀¨ N
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀¨¨¨ |　　ヽ　　　　 ｨｰ-------
　　　　　　　　　　　 　 ___／￣￣￣￣　〉__／　　　／
　　　　　　　　ー=＝ﾆ-----z　　 　　／ _,ｲﾆ三彡'

1903 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:59:18 ID:NF5vebCM

　　　,: : : : ≪: : : : : : : : : : ＿_: : : : : : :ヽ : : /ヽ
.　　/: : : : : : : : : : : : : :＜: : : : : : : : : : : ': : ´: : : 二―― 、
..　/: : : : : : : : : : : :＜: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ―― 、: : : : ﾊ
.../ : : : : : : : : : ／: : : :、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 7: : : : :ﾘ
/: : : : : : : : : :,': : /: ／: : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : :/: : ﾊ: : }　　　　　　　　　　　……なんだよ？
!: : : : : : : : ∠: :/／: : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : : ,': : : : :}: {
ゝー――: : : :./: : : : : : : : : : : : : : : : /: : |: |: : : ,:': : : : 八八
＼: : : : : ／: :/: : : : : : : : : : /: : : :／: : :ノ:/: : ::ﾘ: : : : : 八
　 ｀＞＜: : :/: : ￣＞＜: : /＞＜/: : : ｲ:/: : :≠ﾍ: : : : ﾍ ゝ　　　　　　　　　　　この期に及んで、まだアタシを……。
ｰ≦: : ィ: : /＞＜: イ:ｲ__/=== ／:／　ﾚ: : ／} /ﾊV: : : : ゝ＿＿＿
　 ｀ 、: : :八: : :／>=<|ﾚ' トｲ∠f´、_　/: : :ﾚﾘ/ ,' j V: : : ＼: : : : : : :
　　　ノ: : ）: :＼　　|　＼ む迩'　　　/: ／　　　|: : j: : : ＼: ＼: : : : :　　　　　　　　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　 ／: : :/: : : ＿＞＿ ゝ ｀　　 　 　 レ' l　　　 , .ノ: : : : : :ヽ: : ＞―　　　　　　　　｜　違ぇ、だが、……とりあえず聞いてくれ　 　|
／／￣|: : : : : : ゝ、＿　　　　　　　　　 i〉　　ﾉ（: : : :l: :l: : : ＼: : : ＞　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
~~　　　.!: : : : : : : : : : : : ＞　Ｕ　　　　 .´　／　 ’: : :!: :!｀ー ゝ｀ー一
　　　　ﾉ: : : : : : ヽ: : :｀ ＞一　、＝＝　／￣ ヽ ’: :ﾉゝゝ　　｀ヽ: :｝
　　　/: : : : : : ヽ: :ヽ　　＞ 、 　 ￣ .／　　　　 V}ﾚ'　　 　 　 　 )ﾘ
.　　/: : : い: : : :ヽ: ﾊ　　　　 ＞一 '　｀ヽ　　　　K　　　　　　　//
.　 ハ: : : い: : : :入: :i　　　　　（　　}　 　 ',　　　　＼　＿＿　 ﾚ
　/: : : : : : ハ: : ﾘ　寸　　　　　 ＼ ゝ　　　、　　｀ー　　　　 ＞＜

　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　スパイクの言葉に、奏ははっきりと身構える。また、身を刻む様な否定の言葉が来るのだろうか？　
　　　　しかし、予想に反し目の前の男の口から洩れるのは、どこか疲れ切った様な、弱々しい声であった……。

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1904 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:59:29 ID:NF5vebCM

　　　　 __ノ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＜ノ〉
　 　　､_フ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∠ ,
　　　　＞ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :､ : : : : : : : : : : : : :＜
.　　　/へ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾉ｝ /: : : : : : : : : : <⌒
　　　　 ＜_: : : : : : : : : : : :/⌒ヽ : : : r彡ｲ人( （:〈∨ : : : : : : :ィ⌒
　　　　　　_＞ : : : : : : : : :' :⌒」}:.: : :.ト　'"´￣ミメﾉノ: : : : ノヽ}
　　　　　　 ⌒> : : : : : : : ∨:､< ',: : 「`　 　 ｰt::r`∠: :/＼{　　　　　　　　俺はな、人間なんだ。
　 　 　 　 　 厶へ: : :/}: : :{ヽ__　∨`　　　　　 ´　Ⅵ/
.　　　 　 　 r､―‐}／ノ ﾍト- : |　　　　　　　　　　 ｌ
　　　　　　 j　ヽ／　　　　 　 八　　　　　　　 　 　 ',
.　　　 /＾Y´　　 ＼　　　　　　　　　　　 　 　 ＿_ｒ一　　　　　　　　　　　 義体なんぞ、この偽モンの右目以外は一個も入れてねぇ。
.　 　 ﾉ:.:.:乂ミ　 　 ＼ 　 　 　 　 :＼　　 　 ´ﾆﾌ
　 ／:.:.:.:.:.:.:.ヽ ＼　　 ｀　ｰ　　 　 : : ＼　　 　｛
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼､＼　　　 　 ｀　＜￣:､` ―　′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐｭｰﾃｲﾄ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ ､　　 　 　 ／￣　 　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 サイバネも入れてなければ、ＥＳＰもない。変異だってない。
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼＼　　∠ 」__　　 ,　-一
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼＼　　 イ　＜_ヽ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ＼＼〈 .}　 ／.:.:.:.
＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､.＼ヽﾍ爪_.:.:.:.:.:
:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､. ＼>ヘ}: ＼:|
.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ∨/|::.　 ＼

　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　目の前で繰り広げられる戦闘、その音をどこか遠くに聴きながら……。
　　　　スパイクは訥々と語り始める。自分が人間であるという事実を、噛んで含める様に。

　　　　――自分には、なんの力もないのだという、当たり前の事実を。

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1905 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:59:41 ID:NF5vebCM

　　　､＿_＞: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＜ノ〉
　　　 ＞ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
　　　⌒> : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　∠: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∠⌒
　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ､: : : : : : : : : : 厶
　　　ア : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : _ﾉ`ｰ ､ : }ヽ: ハ}_ヽ: : ,:､: : : : : ／　　　　　　　　　　……分かるか？　俺は、弱いんだよ。
　　 / : : : : : : : : : : : : : : : : : 〈: : /（ : (　 　 :ﾉ_:厶:≦⌒ 厶: :! } : : : :く
　　 {: ヘ : : : : : : : : : : : : :vﾍ=＼‐-≧:＼_､ 〃ｨ弋_ﾌ冫 イﾊl 八{ヽ}⌒
　　　　　｀7 : : : : : : : : : : 「＼ r 弋フ ,`￣ i:　 ｰ￣￣　　_ﾉ ∧￣.:.:`ー―-　.. _
.　　　 　 厶～ｧ: : : : ﾏヽ:ﾍ　 ';:｀¨ ￣ 　 　 |:　　　　　 　 |_ノ:　ヽ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣
　 　 　 　 　 厶イヽ: :∨ .ﾉ}　 l　 　 　 　 　 ;:.　　　 　 　 | : . 　　 ,:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　生物として、一個の存在としてこの「皇国」じゃあ吹けば飛ぶ様なカスだ。
　　　　　　＿／:.:.:.:.／　/`|　 {　　　　　　 _ ゞ　　　 　 　 : : : .　　 ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　 　 ,. .:.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>､　＼ ,　 ＼　　　　　　　　_ __　　/ : : : : .　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:＼＼ :､　　　　　　￣＼　　 /: : : :/: : : : :　　　:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　　　経験値がなんだ？　修羅場を潜った？　ンなもん、何処にでも転がってる。
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| : :ヽ　　＼　　　　　　　 :._／: ＞:/　＿＿＿＿}:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;
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:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| : : : : : ` .　　　　　　　　八 ／ i┬一　／ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.
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:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ＼| : :／￣.:.:.:./　 　 　 　 / / : ://: ／ . . : .　　:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.'.:.:.:.:

1906 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 01:59:52 ID:NF5vebCM

　　　　|: : :',: : : : : : : : : : : : :＼: : : : : : : : :＼: : : : : : : : :＼: : : : :　　　　　　 γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　 　 ′: : ',: : : :{＼: -‐: : : : :∨: : : : : : : : :.＼: : : : : : : : :＼: : :　　　　　　 ｜　俺は「ありふれた」人間でしかない　 |
　　　 /: : : }: ',: : :ﾑ´ ＼: : : : : : ∨: : : : : : : : : : ＼: : : : : : : : :｀＾　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
.　 　 ;: : : /}: : ',: : :ﾑｨｆぅ笊: : : : : V: : : ≧ｘ: : : : : :.∨: : :＞‐‐‐‐
　　 /: : :/ .|: : : ',: : :ﾑ　Ⅵ{ ＼: : :.∨: : : : : : ＼: : : :.V: : : : : : : :
.　 /: ／　 .|: : : : '.: : ∧ У　　＼: : V: : : : : : : :.＼: : V: : : : : : : : 　　　　　　　　……おっさん。
..　／　　　 ; : : /ヽ:.＼: ､　　　　}:＼:}: : : : : : : : : : :＼:,: : : : : : : :
　　　　　　 }:.:./　 ノ　 ＼　　 Ｕ |/: : : : : : : : : : : : : : : : :', : : : : : :
　　　　 　 /／　　＼　　　　　　/: : : : : : : : : : /: : : : : : : :', : : : : :　　　　　　　　　　　　 γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
.　　　　　/´　　　　　　　__ 　／: : : : : : : : : : /:.: : : : : : : : :', : : : :　　　　　　　　　　　　 ｜　「力を持たない」人間でしか、ない　|
　　　　　　　　　　　 　　､ ／: : : : : : : : : :.:.:./:.:.:: : :. : : : : : :.', : : :　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　　　　 　 　 　 ／: : ／: : : : :/: : : :/:.:.:.:.: : :.: : : : : : : : : :




　　　　　　　　　　__＞ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼＿
　 　 　 　 　 　 　 ア: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＜
　　　　　　　　　＜: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞
　　　　　　　　　　_）: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ｰノ
　 　 　 　 　 　 　 ＞: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞
　　　　　　　　　　⌒＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : } : : :､ : : : : : : : : : : : : : ＼　　　　えっらっそぉーに力を制御だのなんだの言ったがな。
　　　　　　　　　　　,. ＜ : : /＾i: : : : : :_／}: ｲ / ゝ､: }:ﾍ : : : : : : : : : :／⌒
　　　　　　　　　 ／.:.:.:/.7:八{_|: : ﾄ､:{￣ア≧/､j 　j厶=} : : : : : : : : ＞
　　　　　　 　 ／.:.:.:.:./.:.:　⌒ヽ',: :乂　ーtｚｧヽ　 /tｚｧ:八 :､～ ヘ´　　　　　　　　　　　　　　 ｼﾞｪﾘｺ941
　　　 　 　 ／.:.:.:.:.:.:/.:.:.:|　　l: :ﾄ (⌒ 　 　 　 '　 :{: 　 /V⌒.:.:.:.:.:}:.:.:、　　　　　　 俺にはこの「相棒」と、それなりに鍛えた肉体程度のモンしかねぇ。
　　　 ＿／:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:{ 　 .Ｖl八　　　　　 　 　 l　 ∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:j.:.:.:.＼
＿／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.　　 ',|:　ヽ　　 　 　 - _」　　 ∨.:.:.:.:.:.:.'.:.:.:.:.:.:.ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｌ 　　ヽ　 : :.、　 `ｰ_一／:　　 ∨.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.冫
―-:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　 ＼ : : ＼　　 ／ 　　　　 ∨.:/:.:.:.:.:.:.:.:.／ー┐　　人間様最大の火事場力、頼みの「精神力」とやらもぷっつり折れてそれっきりだ。
:.:.:.:.:.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　　　　　ヽ ／ ￣} :　 　＿＿＿∨.:.:.:.:.:.:／＜￣.:{
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|＿　　　　 ∨ : : /　 ／:イ.:.:.:.:.:／:.:-‐＜.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.Τ＞､　ヽ／ 　:{::/　}:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',:.:.＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{＼:ヽ:／--―┘: :/／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:､: ＼ヽ._／／: : /へ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.

1907 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 02:00:04 ID:NF5vebCM

　　　　　　　　　　　　　　　　　　、
　　　　　　　　　　　　　 ＿＿__ﾄ､＼_≦ミヽ　ﾉ}
　　　　　　　　　　　　　_＞‐--::::::::::::::::::｀ヽ:Y:ム‐'三'‐-z,,___
　　　　　　　　　 ＼-一 `::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≦-:― イ
　　　　　　　　 ._,,:-‐｀::￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
　　　　　　　　 ＞'"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 厶　　　　　　　　　　　持たざる側にとって、持つ側ってのは羨望よりも恐怖の対象なんだよ。
　　　　 　 ＜´;:::-‐:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜,ｨ
　　　　　 .／;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　/／;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜_
　　　　./ｲ:: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞=-､:::::::::::::::::::::::::::::: 厂　　　　　　　　　　 自分の「持っていなさ」を知っていれば、尚更さ。
　　　　_,ｨ彡::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::弋 lr‐ミ ';:::::::::::::::::::::::::::Ζ､
　　　　 フ:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､::r‐､::ｒ､ミヽ::::::::::ζﾆ } !:::::::::::::::::::::::メ,/　ヽ
　　　　{'7::::::::::::::::::::::::::::::::::'､ﾚ _,/ｲ-　　.}ｨ::::::::::', ﾚ .}ヽ::;::::::::;､:::::l./　　　＼
　　 __,ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ／、　　　　　｀ﾌ-､:::} ｒ'´/'´}/｀＞ﾘУ　　　　　>,へ、　　　　 いざ一人になってみりゃ、嫌でもそれが良く分かる……。
　　 ｀フ:;:::::::::::::::::::::::::::::::::::弋_ ヽ／　　　 　 　´'　',､　　　　 .／　　　 　 ／ﾉ:.:.:.:.｀丶、
　 　 /ｲ‐z_:::::::::::::::::::::::::::::::`ノ!　　　　　　　　　　　',ヽ　　.／　/　　 　 / ;/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀丶、
　　　　　　 ￣ｱィ::／'イ｀ヾ　.|　　　　　 ,　　　　 　 〉 ｀／　 ./　　 　./／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀丶、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 }.　_,　　／　　　　　 / , ´　　 /　 　 ／´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ￣´ `ｰ'ｔ,_　　　　　/-/　　　/　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ',　　　, '　/　　　/　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｀ｰｧイ　/／}　./／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／_,,イﾌｲてｊ ./':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／イ,-'´:.:.:.:.:.７ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ

　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　「持たざる者」にとって、信じられるモノとは何だろうか？
　　　　もし、最後に残った自分自身すらも信じられなくなったとすれば……それを認める他者が居なければ？

　　　　――心の荒野に付き立てた旗は、何時か寒風に食い千切られて風化していくしかない。

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1908 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 02:00:17 ID:NF5vebCM

　　　　 _＞ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　＿ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :∧}
　　＞: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼ノ〉
　　 ア : : : : : : : : : : : : }､: :/}: ､从ト､__: : : : : : :/⌒ヽ: : : : : : : : : : : ＼
　_.ノ : : : : : : : : : : : : :丿）/ﾉｨ≦￣　､_）: : : : : { / 　 : : : : : : : : : : /⌒　　　　　……だが、考えてみりゃ「持ってる側」だって同じ事なんだよなぁ。
　＼ : : : : : : : : : : :〈 (_　／/.ィてrｱ　　⌒): : : ﾉ⌒:､ } : : : : : : : : く
　　 ＞ : : : : : : : : :「ヘ　 　､_ "￣　 　 　 ﾌｨ／ｱ: : ﾉ八: : : : : : :/⌒
　　　⌒ヽ: : : : : : : ヽ/(〉　　　　　　　　　　　 　 _彡': : : : : : : : 厶
.　　　　 厶～ｧ:: : : : :. ′　 　 　 　 ､ 　 　 　 　 Ⅵ:ﾊ: : : : : : :／　　　　　　　　 怖いのは抱えてる側も同じなんだ。力なんて、言ってみりゃ、爆弾だもんな。
　　　　　 　 /-―vﾍノ　　_　　　　 ﾉ　　　　　　　}:､_ﾉイヽ: : : ＞
　　　　　　　 　 　 　 ＞､ 　_　-　´ 　r-　　.. ＿厶-―`--＜_
　　　 　 　 　 　 　 　 ⌒:. '　 -‐　 　/　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　（　　　　　　 ヽ　　　　　{　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　 どうしたって火を付けるのは自分次第。……だから、一個だけ訂正させてくれ。
　　　　　　（　ﾞ''ｰ--　 　 　 ＼　　　 }　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　ﾞ''ｰ-- 　 　 　 　 ヽ　　ﾉ　 ＿＿＿＿..　-―　 ￣`　 　 /
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　_＞"＜.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:ー-- ..　＿＿j丿




　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿＿　　　
　　　　　　　　　　　　　　　 　＿＿　＼: :.＼　ｉト、
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: : ＼_) : : :＼|: ＼＿_
　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿〉: : : ゝ: : : : : ＼: : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　｀`～､、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼　　　　　　　　　　　 γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｱ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .,　　　　　　　　　　｜　嬢ちゃんは、「化物」じゃなかった　|
　　　　　　　　　　　　　　　　 /: }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　　　　　　　　　　　／: :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{:＼＼
　　　　　　　　　　　　 ィi〔: : ア: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∧:.:＼≧
　　　　　　　　　　⌒^⌒　 7: :.}.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :. :.∧: : .＼　　　　　　　　　　　　――――――ッ！！
　　　　　　 　 　 　 　 　 ／: :.ｱ: : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∧⌒^￣
　　　　　　　　　　　　／ィi〔 /: :／.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :. :. :.∧
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /:／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,　　　　　　　　　　　　　　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 ,／.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :. :.＼　　　　　　　　　　　　 ｜　そうだったら、あの蹴りで俺は死んでるからな 　 |
　　　　　　　　　　　　　／.: : : : : :. :. :. :./ : : : : : : : : : : : : : |: : : : : : : : : :＼　　　　　　　　　　　 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　　　　　　　 ／.: : : : : : : : : :. :./.: : : : : : : : : : : : :. :.|.: : : : : : : : : :. :.＼
　　　　　　　　　　／: : ／.: : : : : : :. :./.: : : : : : : : : : : : : :. :.| : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　 ／: : ／ : : : : : : : : : /.: : : : : : : : : : : : : : :. :.|: : : : : : : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　／: : ／: : : : : : : : : : :./: : : : : : : : : : : : : : : : : :|.: : : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼
　　　　　 ／: : ／: : : : : : : : : : : : /.: : : : : : : : : : : : : :. :. :. :.|.: : : : : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼

1909 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 02:00:28 ID:NF5vebCM

　　　　　　　　　　　　　　 、 ＿ ____,､ヾﾍ、ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　､_ヾ::::::::::::::::::::::::::`:::＼ｨ,/!
　　　　　　　　　　　　､ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`弋,､　 ,
　　　　　　　　　　　　､':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`:}
　　　　　　　　　　　　 ゝ::::::::::::::::::::::::;ｨ:::､::::::::::::::::::::::::::::::`ｰｧ　　　　　　　　　　　だから、そこだけ、謝る。
　　　　　　　　　　　　　ﾌｲ､:::_; -ゞ'´ｬ=ミ`ｻ:::;､:::::::::::::::::::::<
　　　　　　　　　　　　　　 <´　　　　 ￣　　ゞノ:::::::::::::::::::::ヾ,
　　　　　　　　　　　　　　　'､__ 　　　　　 　 /ｨ:::::::::::::::::::::::彡
　　　　　　　　　　　　 　　 /ﾆ`　　　　i｀丶-'ー＜云}::::::;ゝ　　　　　　　　　　　　俺なんぞより、お前の方がよっぽど立派に「人間」やってたんだ……。
　　　　　　　　　　　　　 　,'　 　　　 　 !　　 ＼_ﾆ＝ｲ::ヾ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ゝ-,---､--イ　　,..-‐'"´￣＼＿
　　　　　　　　　　,_　-‐―--ヽ/　￣/／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀丶、_
　　　　　　　　　　￣｀フ　＿,ノ _,-‐'"´:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀丶､　　　　　……その上で、見ろよ。「アレ」が「力」だ、破裂寸前の爆弾って奴だ。
　　　　　　　　　　　／:∨　 ／/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／´:.;.:.:-‐―-丶、
　　　　　　　　　　/:.:.:.: /／／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:／.:;.:.:.-―--､:.',
　　　　　　　　　./:.:／イ／＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:／‐- 、―- ヽi
　　　　　　　　 /／／／イ⌒`丶､:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_ム-- .、. 丶 ＼
　　　　　　　 ./ｲ／' ´: : : : : : : : : :＼:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: -‐'"´　　　　ヽ　　ヽ
　　　　　　 ./イ´: : : : : : : : : : : : : : : ）ノ:.:._:. -‐'"´　　 　 　 　 　 　 ',　　.',
　　　　　／´: : : : : : : :＿ ; -_‐'ニ￣-‐''"　　　　　　　　　　　　　　　i　　 i




― -＿￣― -＿￣― -＿￣― -＿-＿￣￣― -＿￣― ― -＿￣― -＿￣― -＿￣― -＿￣
＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―￣￣―‐――　＿＿＿￣￣―――　　＿＿＿――￣￣＿＿＿￣―＝＝
　　　　　　　　/ｰ!!ー‐ }--!　｀~^ '' ＜;ミv气{:|:::}:!;
　　　 　 　 　 ｒ‐::!!f⌒7　/　ｒ,ー- ミ,　　｀^'＜:::}:!:!
　　　 　 　 　 |:::::|! O/　/!　{ム、　　｀^'＜、　ヾ: :!　　　　 　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　 　 　 　 |:::::|!__/ ./::i　 {rﾛ7竺≧r--'{:ﾊ　/_ﾉ　　 　 　 ｜　傍から見て、自分の中に抱えて、嬢ちゃんも分かった筈だ　　|
　　　 　 　 　 Vrj----'::::|___{__jrヾr＞'"" ,: :' /'"　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　　　 八トzzz}r-(( ﾉ {｀{!::::;'　r-　､ノ/
_　　　　　　　　 /￣≧ｓ、~´＼{:::;'　, こ-/j/
　｀ヽ 斗r七≧く_7::::::::::::::≧ｘ　ヾ{:.、--r' /
　　　!Yv----、-ヽ、:｀:ヽ::::/ ｀≧s。ニﾆ{'
　_,,、V }＿＿}ｱ ィﾊ}::::::::::V..、　 /｀￣｀´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
ニ＞' _ﾉ≦アﾌ~｀vｰ -- ＞!　　｀{、____　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜　強過ぎる力は、在るだけで「恐怖」を産む |
´s≦:::/::::/ /　　,'::V､__V≧s。、 {_ｖ:.、 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
:::::::::::/::::/ /　　,':::::::｀~´/７气::ﾊ　｀v:.＜ｨｱ)
:::::::::/:::/__'＿ ,/!竺竺ｒ':::::≧x、ﾊ　　,: : : ヾﾊ
:::::::/::/￣',　　　Ｖヽ{ﾊ!⊂⊃::::≧}　　,: : :ｰﾐ{__)、
― -＿￣― -＿￣― -＿￣― -＿-＿￣￣― -＿￣― ― -＿￣― -＿￣― -＿￣― -＿￣
＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―￣￣―‐――　＿＿＿￣￣―――　　＿＿＿――￣￣＿＿＿￣―＝＝

1910 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 02:00:39 ID:NF5vebCM

　　　　　　　＿ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::
　　　 　 　 /／¨7: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヾ_:_:_: : : : : : : : : :r‐ ､: : : : ::::
　　　　　　＿__ノノ: : : : : : : : : : : : : :l∨: )‐､:ﾉ´＿)ﾉlﾉ: : : : : : / ¨ヽヽ: : :::::　　　　　「人間」として生きるな、なんて事ぁもう言わねぇよ。
　　　　　　｀ー‐ｧ'ﾞ_:_: : : : : : : : : : : : l　〉:ﾉ _,.-'"￣´　ヾ: : : : ノr‐､. ', i: :::::::
　　　　　　　　 ir'´_ノ: : : : : : : : : : : ::lノ'r'r't‐j‐‐-　　-''ﾉ: :/くf　 〕/ /: :::::::
　　　　　　　　　　｀ー‐‐'ﾞ7_:_:_: : : : : :ヽ ¨ └'"´　　　-ﾆソ く _／／ヽ: ::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　-ﾆﾆfr‐''/　　　　　　　　l: : : : : f　 / -='/∧::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´　/　 　 　 　 　 　 l: : : : : t‐'' _,,.-=＝ニ　　　　　嬢ちゃんは、多分やれる。運も絡むが、概ね上手く行くだろうさ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ﾉ　　　　　　　　　ﾉ: :_: ,.-‐'"　　　_,.-‐‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｰ-ァ　　　　　　/／　　　　　　／: : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└､-‐‐ 　 ／　　　 　 　 ／: : : : ::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞヽ _／　　　　　　 ／: : : : : : :::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　／∠.-‐───‐　　　　　だがその上で、抱えた爆弾の重みはしっかり――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿／　　 _,. -‐‐'"￣´: : : : : : : : : : ::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｰ､_,.-‐'": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜　　……おっさんってさ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 _,.　-‐　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　　　　　　 _,. -‐'": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :::::::
　　　　　　　_,.-‐'": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::::::::

　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　「説教じみてやがるな、おまけに柄じゃねぇ」。
　　　　そんな事を考えるが、しかし良く考えてみれば「柄じゃない」のは「あの日」から向こう、ずっとなのだ……。

　　　　だから最低限、自分が負わせた傷の分は謝罪をしておこうと思ったのだ。だが、その言葉は途中で遮られる。

　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

1911 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 02:00:56 ID:NF5vebCM

　　　　　　　　　　　　　　　 {　　 　 　 ､
　　　　　　　　　　　　　　　 |＼　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 　 八: :〕iト､　　 }:ﾊ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ゝ:_:_:_　ゝ/: : }
　　　　　　　　　　　　　　　ィi〔 : : :_:_: :／(: :〕iト ＿_,
　　　　　　　　　　　　　　/: :／:／: : : : :.∧: : : : :く
　　　　　　　　　　　‐=≦: :/:／: :/: : : : : :∧: : : : :＼＿___
　　　　　　　　　　　 ⌒^ア‐' : : /: : ハ: : : :.i: : : ＼: : : : :/　　　　　　　　　　　　……思ってたよりも、「良い人」なんだな。アンタ。
　　　　　　　　　　＿__ゝ‐=≦: ｧ―ミｔ､: : : / ,jＩ劣≧=‐ｱ
　　　　　　＿　ィ: : : : :≦ｧ : :./ ,x笊ミ |: ://　,)ﾘ 〉r≦ミｔ､
　　　　 ≦: : : : : : : :从//ゝ く　ゝvﾘ　 !:/ ,　 ゞ'　:ｱ//ハﾊ≧ﾐ
　　　　　 ゝ辷ア: : : : :.｀`～､、 |　 　 　 　 　 　 从/{　}/=ｨﾊ: :＼
　　　　ィi〔: : /: :／: :}:人: ＼: ﾊ,!＼　 V　　ｱ　ｨ　 乂77, /ｱ　}: : ハ　　　　　　説教くさい所とか、なんかオジン入ってきてる感あるけど。
　　／: : ィi〔 ゝ': : :.／／ ＼:}⌒∨ ≧s。　 . : : :.＼ ﾊ　　　 ∧/＼:i
　 /: : /: : : ∧: : : :ィi〔 冖宀￢ミ ^ﾏ　 /}爪冖ﾏ: : :＼ゝ
. /: : ∧: : : : : 〕iト(　　　　　　　　ゝ　ヽ rく 　 　 ∨: : : :}　　,
. : : : ゝ ヽ: : : : : : : ＼　　　　　　　　　 ｀`～､、　 ∨: : :}　　Ⅵミ
∧: : : i― ＼: : : :＼: :〕iト､　　　　　　 　　　　　｀`～、:.ｉ　　 ∨: ＼
二＼: |二ﾆﾆ): : : : :ｉ＼: : ﾊ二笊二f二ﾆ=‐　 __　　 　 ＼　　 　. : :ﾊ
∨二＼二=/: : : : : |二＼: ｉ二∧ニ|:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:{　 　 　 ,＼ 　 }: : : i

　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓

　　　　一方で、奏もまた、スパイクという男に対する認識を僅かに改めていた。　　　　 ｽﾀｲﾙ
　　　　……彼は、恐らく、「悪人」ではないのだ。「そういうやり方」はきっと、彼本来の”美意識”から外れたモノなのだ。

　　　　自分に対して掛けた言葉は許せたものではないが、それは何の根拠もない言いがかりでも、適当でもなかった。
　　　　そして、それを認めてしまえば……一つ、自らの内で「気付く」事があった。

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1912 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 02:01:08 ID:NF5vebCM

　　　 　 　 　 > : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :∠
　　　　　 /し' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :／
　 　　 　 {: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ : : : : : : （＿
　　　＼ｰ′: : : : : : : : : : : : : : : : : :〈: : 从 : : : } : : : : : : : :＜
　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : :／-＼{、ヽ: :/: : : : : : : :/⌒　　　　　　　　　だぁれがオジンだ、余計な御世話だ馬鹿野郎。
.　　　厶ィ: : : : : : : : : /⌒>: (´|/　 ィ.rｫヾメイゝ : : : : :＜
　　 　 _丿: : : : : : : : :' ﾄ-ﾍ : く　　　￣¨　　く/: : : : : <⌒
　　　　⌒): : : : : : : 八.ゝ{:r ⌒　　 　 　 　 　 ＼ノﾚ⌒
　　　 　 〈:/v､: : : : : : :>二:.　　　　　､＿ 　 "r ´　　　　　　　　　　　　　　　……まぁ、老けたってのは否定せんがね。身体も、心も……。
　　　　　　 　 ）: : : : :八　:i {　　 　 　 ｀二.Ｔ´
　　　　　　　　⌒~ ァ`　　 ﾞ ＼ 　 ＿＿＿_{＿
　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣　 . . : : : : : : /　　-―――--_ 、
　　　　　　　 ／　　_. : -―――-: : : ＞.:.:.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／.:.:.:.:.ヽ　　　　　「あの頃」の俺が見たら、大いに嘆くだろうぜ。
　　　　 　 ／　 . . . : : : ＿二ﾆ＞.:.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.（＿ ／.:
　　　　　　>／ : : : :＿＿＿／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:У.:.:
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　　　　　　　　　　　 ﾊ
　　　　　　　　　　　 {:ﾍ　　　　　＿__
　　　　　　　　　 　 八: ｀`～､、⌒ヽ:＼
　　　　　　　　　　　＿≧=――ミｔ､ ∨ﾊ
＼　　　　　　 ／: : : : : : : : : : : : : : :ハ: ∧
: : : :≧=―‐ｱ: : : : : {＼: : : : {＼:_:_:_:_∧: : ,
≧=―: : : : : : : : : : 圦: ＼: : :＼:_: : : : :＼: :廴
: : : : : : : : : : : : : : : : : ＼: :≧=‐: : : : : : : : : : : ﾊ　　　　　　　……アタシは、おっさんの事碌に知らないけどさ。
≧=‐ｧ､: 〈＼: : : : : : : : : :≧=――＼ : : : : : : : :i
: : : :八:〕iト: : : : : : : : : : : :/ ≦二二: ＼: : : : : :.:
―=≦: :^: : : : : :{: : : : : :.∧ {　/　　f笊ﾐ¨ ｱ: : :ﾊ
＼:_:_:_:__:_ィ: : : ∧: : : : /　} }　　 　 ﾏｼ ,ィi〔: : : ,'　　　　　　　でも、そう言う風になるだけの事があったんだな、位は分かるよ。
: : :ィi〔: : : : : : : : : ヽ: ノ　　｀　　　 　 　 ⌒^〈／
:/: : : : : : : : :/: : : : //　　　　　　　　 　 　 　 〉
≧=―ｧ: : 乂: :|: : 〈/　　　　　 　 　 　 ､　 ／
: : : : :⌒^: :}: : ハ:.∧　＿　　　 　 　 　_f^　　　　　　　　　　　皆、同じなんだ。何かしら抱えて、何かしらと戦ってるんだ……。
: : : : :/: : :/: ィi〔 ＼_〉　　 〕iト ＼＿／
: : : :/: : :ア,　　　　,　　　　　　　,
: : :/: ィi〔 /　　　　{
: : {　/ / ,　　　　 /　　　　　　　/
: :∧　 i　　　　 ア　　　　　　　ハ
: : : :＼＿＿__,　　　　　　　　/　　,

1913 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 02:01:20 ID:NF5vebCM

　　　　　　　　　　　　 　　　　/: : : ／ : : : : : ／
　　　　　　　　　　　 　 　 　 / : ／: : : :.。ｓ ´
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　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ/: : : ｀:-=≦: : :／: : -:､- ´
　　　　　　　　　　　　　　　 _「:｀≧': : : : ､: : : :￣ :≧:=- ｧヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 /: :l: : : : : : ＿: :≧ｘ.-:― :＜´: : : ＼　　　　　　　　　　　　　　　　アタシだけが、特別不幸なんじゃない、んだよな。
　　　　　　　　　　　　　 .:' : : } : : : }｀＼: :_:_:＿ﾞヽ: : : : : :｀ヽ: : :‘:,
　　　　　　　　　　　　／ : : : ;ｲ＼: ヽ,ｨ笊　}!ヽ:.アヽ､:/: : : : :ヽ : ｀≧s。
　　　　　　　　　　 ／: : : /: ﾊx笊＼‘, ゞ’ , , }/,ｧ ﾉ:ノ: : : : : : : :､ : : : : :｀: . . ､
　　　　　　　 　　/:_.xイ:/: /:∧ゞ' ､ ｀ヽ　　 　 r／´: : : : : : : :､＿＼_: : : : : : : ＼　　　　　　　自分で言ってたのに、納得出来ず、愚図ってたけどさ。
　　　　　　　　　'´　　 };／ !: :ハ　　 _ 　 ｧ 　 ｲ: : :／: : : : : : :_}: ＼｀ :｀ヽ: : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　＼ }: : : : .､　 ｀´　 , 　.!: .ｲ: : : : : } :／: : : : ‘, : : :‘,: : : : : : :.:＼
　　　　　　　　　　　　 　 ／: : : : : ≧=-イ 　 _ﾚ /: : : :／´: : : : : : : :‘, : : :‘, : : : : : : : ‘:,
　　　　　　　　　　　　　/: : : ' : : : : : : i{,ｲ　/ {_　{ : : / : : : : : : : : : : : }: : : : }: : : : : : : : :.‘,　　 今なら分かるんだ。アタシはむしろ、幸せな方だ。
　　　　　　　　　　　 　 i: : ;ｲ: : : : :}:／㍉.__∨/ヽト､/7＞=-.､ : : : : : :’: : : _i: : : : : : :＼ : ‘,
　　　　　　　　　　　 　 レ'.:‘,: : : :/'　 _「三／_　　 ／.:.:.:.:x:-:.`ー:､: /: : :,:´: : : : : : : : : } ＼ !
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　　　　　　　　　　　 /j目竺{ｒ':!{:└‐‐': :_j　!　　　　　　　　　　　　　 γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　 { {｀ ー‐ミ! T "￣__ j　'　　　　　　　　　　　　　 ｜　だって、「助けてもらえた」んだから 　|
　　　　　　　　　　 　 v人二 ﾌ　/､二.ノ'/ '　　　　　　　　　　　　　　 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　　　　　　　　 vVrリ　'_」_　　 /, ﾉ
　　　　　　　　　　　　　ヾＶ; v- - 7　'_/
　　　　　　　　　　　　　　}｀ヽ｀二"／ｲ{、, =、　　　　　　　　　　　　　　　……まだだッ！　奏達には、触れさせない！！
　　　　　　　　　 __ｧ´__Y{V::::}｀ーく彡'": :{　 ,竺x、斗 ミ
　　　　＞ ‐‐　{_/;　 {j目!::::7　　 {: :／: : !　 !:__ﾉ-、　　 ｀ :、
　　 ., '　　　/}　7 !,-ﾐ!　 ヾ::!　　　!': : : : :!⌒!:.', {{::{　　　　　∨　　　　　　　　　　 γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　,　　　　,_/ _jr j -{rrrrrr}Y二Ｙ: : : : :rj竺{v::、vﾊ　　　　　 ,　　　　　　　　 　　｜　「たすけて」を、聞き届けて貰ったんだよ……？　|
　 ,　 　 ,.ｨｖノ::///、,j〕ｴｴｴ!.!　 .|: ⊂⊃ー:'": : :Vヽ＜::...、　　〉　　　　　　　　　　 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　 !　,ィ＞':::::::;'//____{气ｒ__〕!.!　 .!:{: : : : : : : : : :.VV: :＞＜__〕くｖ
　 ヽ r く ＼:::{{ ｖｒｒ::ゝ-ｒ'-ア 、　!:{: : : : : : : : :/:/: 〉/　／ 　 V'ﾘ
　　(//ヾ≧xﾊ 、Vr::rtr:ア　,ｲ! Ｔ:、: : : : : : :./:/: :' ヽ'　　　　　v:、
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1914 ： ◆u35dj8a9KI：2016/04/24(日) 02:01:31 ID:NF5vebCM

　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿＿　　　
　　　　　　　　　　　　　　　 　＿＿　＼: :.＼　ｉト、
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: : ＼_) : : :＼|: ＼＿_
　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿〉: : : ゝ: : : : : ＼: : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　｀`～､、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｱ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .,　　　　　　　　　でも、さ。じゃあ、「助けた側」はどうなんだ？
　　　　　　　　　　　　　　　　 /: }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　／: :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{:＼＼
　　　　　　　　　　　　 ィi〔: : ア: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∧:.:＼≧
　　　　　　　　　　⌒^⌒　 7: :.}.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :. :.∧: : .＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 ／: :.ｱ: : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∧⌒^￣　　　 人一人の事情だって、皆それぞれ重たいんだ。
　　　　　　　　　　　　／ィi〔 /: :／.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :. :. :.∧
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /:／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,
　　　　　　　　 　 　 　 　 ,／.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :. :.＼
　　　　　　　　　　　　　／.: : : : : :. :. :. :./ : : : : : : : : : : : : : |: : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　 ／.: : : : : : : : : :. :./.: : : : : : : : : : : : :. :.|.: : : : : : : : : :. :.＼　リュウセイは、それを背負ってる。アタシのそれを、ずっと背負うって言ったよ。
　　　　　　　　　　／: : ／.: : : : : : :. :./.: : : : : : : : : : : : : :. :.| : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　 ／: : ／ : : : : : : : : : /.: : : : : : : : : : : : : : :. :.|: : : : : : : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　／: : ／: : : : : : : : : : :./: : : : : : : : : : : : : : : : : :|.: : : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼
　　　　　 ／: : ／: : : : : : : : : : : : /.: : : : : : : : : : : : : :. :. :. :.|.: : : : : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼




　 　　､_フ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∠ ,
　　　　＞ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :､ : : : : : : : : : : : : :＜
.　　　/へ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾉ｝ /: : : : : : : : : : <⌒
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　 　 　 　 　 厶へ: : :/}: : :{ヽ__　∨`　　　　　 ´　Ⅵ/
.　　　 　 　 r､―‐}／ノ ﾍト- : |　　　　　　　　　　 ｌ
　　　　　　 j　ヽ／　　　　 　 八　　　　　　　 　 　 ',
.　　　 /＾Y´　　 ＼　　　　　　　　　　　 　 　 ＿_ｒ一　　　　　　　　　　　　　そんなモン屁じゃない位に、強くて……
.　 　 ﾉ:.:.:乂ミ　 　 ＼ 　 　 　 　 :＼　　 　 ´ﾆﾌ
　 ／:.:.:.:.:.:.:.ヽ ＼　　 ｀　ｰ　　 　 : : ＼　　 　｛
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼､＼　　　 　 ｀　＜￣:､` ―　′
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ ､　　 　 　 ／￣　 　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼＼　　∠ 」__　　 ,　-一　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　――その「強さ」すら、抱え込んでるんだろッ！？　 |
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼＼　　 イ　＜_ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
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